第三話「幸運の星のために」
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。今日、部活ある日だってすっかり忘れてた。
「先週も休んでたよな。先輩おこだったぞ。『あの野郎、
毎日美少女とイチャイチャしやがって』だってさ」
やばい、SF研の全員同じこと考えてそう。
そんなことよりも、この状況をどうする。
部活に出るかそれとも・・・。
あれこれ悩んでいたが、不意に幹也が手に提げている袋に目線がいった。
「ん?幹也それなんだ?」
「これか?『幸運の星』のDVD-BOXだ」
幸運の星は少し前にやっていた人気アニメだ。
なんでそんなもの学校に持ってきてんだよ、と思ったが
どうやら違うようだ。
「昼休みに井原が大量に売ってたんだよ。しかもワンコインだぜ」
「井原が?」
大量にワンコインで販売していたと。
それを聞いた春香が「まさか、それは・・・」と呟いた。
その途端、春香のスマホから着信音が鳴り響いた。
電話の主は蓮花だった。
「私だ・・・何!?わかった、すぐ行く。すまん幹也冬二を借りていくぞ。
あとアランシアはここに残っているんだ」
そして俺の腕をつかむと幹也の制止を振り切り、
超スピードで教室から出ていった。
「ちょ・・・おま・・・」
教室から出た際、方向転換の勢いで壁に叩きつけられた。
向かった先は中庭だった。蓮花は中庭に出るための扉の前で、
レーザー銃らしきものを構えて待っていた。銃口はレーザー銃のようなのに
なぜかリボルバー式という変な銃だ。
「来たわね・・・って、結城君だっけ?なんで涙目なの」
さっきのが滅茶苦茶痛かったんだ。
「それで、何があったんだ?」
「井原が『完全コピーくんを使って大量にDVD-BOXを複製していたのよ。
あいつは今、中庭にいるわ」
完全コピーくん?宇宙道具の類かな。
「完全コピーくんは、文字通りどんなものでも一瞬でコピーできる宇宙道具よ。
今回のように悪用されるから、使用も製造も禁止されてるはずなのに・・・」
なるほど、つまり、それで商品を大量に複製し格安でばらまくと。
そんなことになったら、市場経済が大変なことになってしまう。
でもなんでよりによってDVD-BOXなんだろう。
「とにかく、さっさと捕まえてしまいましょ」
「冬二は一応これを持っておいてくれ」
春香は俺に一丁のレーザー銃を手渡そうとしてきた。
蓮花のとは違って普通の銃だ。
「いやいや、俺に渡されても使えないよ」
「大丈夫だ。サポート機能があるから初心者でも安心。
いざという時のために持っておいてほしい」
俺はは渋々承諾してレーザー銃を受け取った。
春香はもう一つ自分のレーザー銃を取り出し、
蓮花に準備完了の合図を送った。
「それじゃあ、いくわ
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