第三話「幸運の星のために」
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・・・。
宇宙人の存在を知った俺にとっては、こいつが宇宙人だったとしても、
何ら不思議ではないのだ。
そんなわけで気になるので本人に直接聞いてみた。
「お前、宇宙人だろ?」
回りくどい聞き方などせずに直球で聞いてみる。こうすることで、
咄嗟にウソを考える隙を与えず、動揺で表情を取り繕えないようにするのだ。
思ったよりも効果があった。
「ナ、ナンノコトカナー」
井原の声は少し震えていた。分かりやすいなこいつ。
目もクルクル回してる。
「目が泳いでるぞ」
指摘を受けた井原は少し落ち着きを取り戻し、コホンと一回咳払いをした。
「僕は地球人だ」
さっきあからさまに動揺していてにもかかわらず堂々と言ってのけた。
犯罪者かは別にしてこいつが宇宙人であることはもはや確定的だな。
でもやはり本人の口から認めさせてやりたいからもう少し追求してみるか。
「でも、この前この羽は本物だって聞いたような・・・」
「気のせいだって。僕は地球人の井原健司ですよー」
「でも」
「違う」
でも、違う、でも、違う、でも、違う。
意味のない問答が続くかと思ったが、井原が仕掛けてきた。
「結城」
いきなり肩を強く掴まれた。目つきが鋭くなり、今にもお前を
殺すといわんばかりに睨み付けてくる。
あれ、ひょっとしてピンチか?
恐怖を覚えた俺は思わず一歩後ずさった。
殺られるかと思ったが、さすがに人が大勢いる教室でそんなことは
ありえなかった。
井原の顔が俺の顔に近づく。
「宇宙人は実在しない、いいね?」
「アッハイ」
無理矢理納得させれてしまった。
井原に認めさせることができないまま、俺は、購買に昼飯を買いに来ていた。
春香とアランシアも一緒だ。
「ふーん、ふーん」
アランシアはカレーパンを抱えてそれは幸せそうに鼻歌を歌っている。
よくもまあ、毎日食べてて飽きないよなこのカレーパン大好き美少女。
アランシア・カスペーゼは先日、カレーパン密輸の罪で逮捕された
宇宙犯罪者だ。今は、この学校に転入し俺と春香のクラスメイトになっている。
「あれ、どうしましたか?冬二さん」
あきれ顔になっていたせいで気にかけらてしまった。
しどろもどろになりながらも何でもないと答えると、
そうですかと言ってまた満面の笑みに戻った。
小柄だが、顔立ちが整っていて、笑顔が非常に可愛らしい。
だから、結構人気が高く、すでにファンクラブが結成されているとかいないとか。
うちの学校には紳士が多いな。
「そういえば、昨日の晩御飯のカレーに納豆をかけて食べてみたんですが、
美味しくてビックリしちゃいました・・・冬二さん?」
カ
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