お付き合い
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っぽがついていた。そして響の浴衣は黒を基調としており、大きな三日月柄が一つ見られ、所々には夜空を思わせる星のような柄も入っていた。しかも響は袖を肩まで捲くっていた。
屋台が立ち並ぶ会場に着いた一同は先ほどまでと一緒にまとまって行動する。
「まずは……焼きそばでも食うか?」
「カキ氷ではないんですの?」
「カキ氷はまぁ食ってもいいが……あれ結構無駄だぞ」
「そうなの?」
「ああ。あれ確かに一口二口食うのはいいんだけどその後のことを考えてみろ。氷だからこの夏の暑さで溶けるし、それに溶けてきたってんで急いで食うと頭痛くなるしろくな事がねぇ。腹冷えて下しても私はしらねーぞ?」
響の妙に説得力のある意見にセシリア達は苦笑いだ。
「まぁどうしても食いてーなら一個かってそれをみんなで回し食いって感じだな」
回し食いという言葉にセシリア、シャルロットが目を光らせた。同時にセシリアが手を挙げ、
「はい、響さん!! わたくし買ってきますわ!」
「お、おう。別にかまわねぇけど、一個にしとけよ?」
「はい!」
セシリアは言うとそのまま嬉々として駆け出しカキ氷を買いに行った。その姿を首を傾げながら見送った響はふとラウラの方を見た。彼女はなにやら射的の所に夢中になっているようだ。
「どしたラウラ」
「む、いやなんでもない!」
そう強く否定するものの、その視線はチラチラと射的屋の一角に並ぶウサギのぬいぐるみを見つめていた。それを見た響はシャルロットとつないでいた手を離し、射的屋の店主に告げた。
「オヤジ、一回やらしてくれ」
「あいよ。一回500円で弾は五発だ」
店主の言った値段を聞いた響は五百円玉を店主に渡し置かれているコルク銃を手に取った。そしてラウラにそれを持たせると、
「私がサポートしてやっから狙ってみな」
「い、いいのか? しかしアレは響の金だろう?」
「五百円ぐらい気にすんなよ。それより早くしねぇと誰かに落とされちまうぜ?」
「あ、ああ」
響が言うとラウラは思い出したようにウサギのぬいぐるみに狙いを定める。しかし、軍人であるラウラでもコルク銃は少し勝手が違うのか、少々危なげだ。
すると響はラウラを後ろから抱くように一緒に銃を構え、
「いいかラウラ。よぉく狙いを定めろ。土台は私が作ってやるからお前は狙いをすまして目標を撃て」
「あ、ああ。わかった!」
すぐ近くにある響の顔にラウラは赤面しながらもぬいぐるみに狙いを定めた。そして少しの沈黙の後、響はラウラの耳元でささやいた。
「撃て」
同時にラウラは引き金を引きコルク弾を打ち出した。弾はまっすぐにぬいぐるみを捕らえ、的確にそれにあたりぬ
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