お付き合い
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IS学園に帰ってきてから最初の日曜日、街では花火大会が行われるそうだ。
「ったく……確かに一日付き合うとは言ったけどよー。なにも朝から行かなくたっていいだろうに」
「一日付き合うんだから朝からだっていいでしょ?」
「……一日じゃなくて半日にしとけばよかった」
シャルロットの問いに響は眉間を押さえながら溜息をついた。現在二人がいるのは寮の廊下だ。二人は私服に身を包み食堂へと向かっていた。
因みに花火が打ち上げられるのは午後六時半らしいのだが、現在の時刻は午前八時だ。そして出かけるのは今から一時間後の午前九時とのことだ。
なぜこんなに早く街に繰り出すかというと、どうやらセシリア達は花火大会が行われる夕方まで街で遊んでから花火大会に行く、という計画を立てているらしい。
「つーか街で遊ぶにしたってどこで遊ぶんだ? ゲーセンか? それともカラオケか?」
「んー、多分この前行ったショッピングモールじゃないかな? あそこなら色々あるし」
「なるほどな。まっあのセシリアがゲーセンって言うのはミスマッチすぎだもんな」
響がケタケタと笑うとシャルロットも小さく笑みを零した。
ちょうどその頃、既に食堂にきていたセシリアは小さくくしゃみをしていた。
朝食を済ませた一同はそのまま町へと繰り出した。
「さて、まずはどうするよ。セシリア嬢」
からかうように響が聞くと、セシリアは少し頬を染めながら答えた。
「そ、そうれすわね。まずはショッピングモールでウィンドウショッピングでもいたしましょうか?」
「まぁ今日はお前らについてくだけだからな。じゃあ行くか。ホラ、本音フラフラしてんじゃねぇよ」
「うー……。まだ眠いー。ひーちゃんおんぶー」
「ガキかテメェは……」
いいながら響にしなだれかかる本音に嘆息しつつも、響は本音に背を向けしゃがみこんだ。
「少しだけだからな」
「やったー……じゃあ失礼してっと」
背中にゆっくりと乗ってきた本音を確認すると、響はゆっくりと立ち上がり本音をおぶり直した。
「よっと……んじゃあ行くか。ってどうしたお前ら?」
響が皆の方を向くと、セシリア達はどんよりとした空気を醸し出していた。
「やられましたわ……」
「布仏さん……天然でそれやってるんだからうらやましいよ……」
「お姉さまの背中をとられるとは……!!」
その様子に溜息をつきながらも響は歩き出した。セシリアたちもどんよりとしたままだったがそれに続いた。
本音をおぶりながらショッピングモールを回ること一時間。やっと本音が目を覚まし響の背中から降りた。
「ふいー……あーよく寝たー
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