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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第6話「私、戦う」
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々しく使うもんじゃない、ってコウジンさん言ってたし」
オーの放つ光を指さしながら、怪訝な表情を作るイダ。その表情に、二人は落胆する。
「…一つ重要なことを言うぜ、イダ。本来、俺たち下位精霊は意思を持たない。
それを与えられるのは、魔素と神素の濃い魔地や聖地だけだ。意味、わかるか?」
キカの言葉に、更に怪訝な表情を深め、イダは「は…?」と短く答えた。
「…ヤズ。それってどういうこと?」
「精霊は世界の基盤の一つじゃ。流れる自然の現象を回す存在に意思は必要ないのじゃよ
自然現象そのものに比べれば、余程お主ら生き物に近い存在ではあるがの」
イダの疑問に答えながら、ヤズはその髭に覆われた体で部屋を歩き回る。
「生命体はマナとエーテルを肉体から生み出し、自然に供給しておる。
そして、魂はそれを使い命を保ち、生き続けるのじゃ」
老人の姿をしたブラウニーはそう言って嘆息する。
「お主は異なる。如何なる訳か、お主の魂はマナもエーテルも必要としていないのじゃよ。
それはつまり、長く一所にいればそこの魔素や神素が濃くなっていくということ。
それ故に、この部屋は、お主が最も長くいるこの場所は聖地であり魔地である」
建てられてから20年はたった宿の壁に触れながら、ヤズは感慨深げにそう言った。
「そのペンダントからオーとキカ、そしてこの部屋そのものからワシの意志が生まれたのは
偶然のようなものじゃ。よって、ワシらにはお主に教えられるようなことはない」
呆然とするイダを見つめ、ヤズはまたため息を付いた。
「…そもそも、精霊の言葉を少し聞いただけで覚えられたお主なら、独学でも精霊魔術
を扱えるようになるじゃろう。もしダメそうなら、エルフどもに聞くがいい。
奴らは弓と精霊魔術に長ける森の民じゃ。お主になら快く教えてくれるじゃろう」
ヤズの言葉は半分くらいイダの心に染みていた。
どういうことかはわからない。わからないが、これは自分が転生者であることと
関係していると思った。確かに、元の世界にはインチキ霊能者はたくさんいたが、
マナもエーテルもおそらくは存在していなかっただろう。自分がその世界の魂を
そのまま使っている存在だとしたら、どうだろうか。
「…チートだ、チート」
イダの言葉が虚空に漏れる。バサリ、と粗末なベッドに倒れ込む彼女は続ける。
「…じゃあ、もっと精霊の言葉を教えて。まだ、英会話で言ったら英検4級くらいでしょ。
もっと複雑な語彙を普通に喋れるようになりたいんだけど」
今話しているのは共通語だ。それに対して、ヤズたちは彼女の頭に直接に話しかけている。
『エーケンが何かは知らないけど…わかった
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