第二十九話 宴
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
動きます。ロザリアは解放軍への協力を大義名分に我が国に宣戦布告し・・・ふたつの帝国が激突する大戦になります」
二大帝国は互いに強大な国力・軍事力があり、実力はほぼ互角。
もし戦端が開かれれば凄まじい長期戦になりイヴァリースは治安は低下の一途を辿る。
そのことを知ってかしらずかアーシェの顔が少し曇る。
「ですからブルオミシェイスに行きましょう。大僧正アナスタシス猊下(げいか)が承認して下されば・・・あなたは正式に王位を継ぎ、ダルマスカ王国の復活を宣言できます。女王として帝国とダルマスカの友好を訴え・・・オンドール侯爵を止めて下さい」
ラーサーの言葉を聞きアーシェ顔に怒りが浮かぶ。
「・・・友好っ!?」
その言葉には憎しみが混ざっていた。
「勝手なことを! そちらから攻めてきてなにもかも奪って、それを水に流せとでも!?」
アーシェは怒りを含んだ声でそう叫んだ。
だがラーサーも必死に反論する。
「戦場になるのはダルマスカなんです!ラバナスタを第2のナブディスにしたいんですか!兄は破魔石を持っているんです!」
ラーサーの反論を聞き、アーシェは黙り込んでしまった。
確かにこのままではダルマスカ王国再興の前にダルマスカ地方そのものがイヴァリースの地図から消えてしまうかもしれない。
「すみません。図々しい話です。血が流れない方法を他に思いつけなくて・・・信用できないのであれば僕を人質にしてください」
ラーサーが申し訳なさそうにそう言う。
大戦を止める為とはいえ、耐え難いことを頼んでいるのにラーサーは自覚があったためである。
一方そのころセアはというと・・・
「そなた・・・昔どこかで会わなかったか?」
「いえ、そんな筈はないと思いますが・・・」
「勘違いか?」
「そうではないでしょうか?最長老さん」
「うん?そういえばまだ名乗ってなかったな」
「あ、そういえばそうですね」
「名はウバル=カという」
「・・・へぇ、・・・そうですか」
セアは100年位前に共に戦ったガリフ族の戦士のことを思い出した。
当時20歳くらいだった戦士の名前はウバル=カである。
予期せず100年位前の知人と会ってしまったセアは表情に出さなかったが凄まじく動揺していた。
そんなことがあったためセアは宴が終わると直ぐに寝てしまった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ