第二十九話 宴
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「お見通しなんですね」
「まぁな」
「そういえばなんでセアさん達はガリフの里に来たんですか?」
「・・・俺達は王女様に付いてきたんだよ。な、パンネロ?」
「あ、はい」
固まっていたパンネロは軽く体を動かし、頷いた。
「アーシェさんも一緒なんですか?」
「ああ」
「てっきりセアさんと一緒に旅行でもされているのかと・・・」
「まぁ、あまり間違っては無いか」
「どういう意味ですか?」
「・・・さっき破魔石の話を聞いたんだがあまりいい話じゃなくてな。王女様は落ち込んで宿舎に今いるんだけどヴァンは気にせず宴の料理食い散らかしてるし、空族達と俺は酒を飲みまくっている」
「そうですか・・・」
ラーサーは呆れたような顔でセアを見た。
セアは軽く笑い、話題を変える。
「ところでさ・・・王女様をブルオミシェイスに行かないか誘ってみたらどうだい?」
「え?」
「アルケイディアとロザリアが戦争をするなら戦場はダルマスカだろ? なら王女様も協力してくれるんじゃないか?」
「・・・そうかもしれませんね」
ラーサーは少し考え、そう言って頷いた。
セアは内心で笑みを浮かべた。
はっきりいうとさっきまでセアはこれからどうしろと?という思いに囚われていた。
少なくとも帝国の意図がわかるまではこの話に関わると決めていたのに初っ端から暗礁に乗り上げた。
ラーサーを使う事で別に目的を持てばあの王女も動くだろうとセアは考えたのだ。
セアはその場から立ち、違う集まりで料理を食い荒らしてるヴァンを目掛けて酒瓶を投げた。
ヴァンは飛んできた酒瓶を掴み、セアの方に向く。
「なんだよセア?」
「王女様を呼んできてくれ馬鹿弟子。ラーサーが王女様と話したいらしい」
「ラーサーがここに来てるのか?」
「話し合うのは明日にしろ。国家間の争いごとに知識が無いだろお前は」
「・・・うん」
そう言ってヴァンは宿舎の方に走っていった。
セアはラーサーの方に振り返る。
「ヴァンに王女様を呼びに行かせたから」
「・・・呼び方が酷くないですか?」
「ヴァンは俺の弟子だぞ? あれ位どうってことないよ」
笑みを浮かべながらのセアの回答を聞きラーサーは頭を抑えた。
しばらくして・・・
「ブルオミシェイスへ?」
ラーサーからブルオミシェイスに行かないかと聞かれ、アーシェが疑問の声をあげる。
「明日にでも発ちましょう。大戦を防ぐためにあなたの力を貸してください」
「大戦・・・?」
アーシェは事情を知らないと思い、状況を説明する。
「オンドール侯爵がわが国に対抗する反乱軍・・・あ、失礼。解放軍を組織しているのはご存知ですよね。でも今あの人が行動を起こすとまずいんです。・・・ロザリア帝国が
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