第二十八話 口伝
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うわけでお前達、入っていいぞ。ここのところ、なんだかヒュムがよく来るな」
そう言われてヴァン達はガリフの集落に入って行った。
すると入り口で戦士長と呼ばれていたガリフが話しかけてきた。
「・・・まだ名乗ってなかったな。私はスピネル。この里の戦士長を務めている。本来、ガリフは外の者に対して寛容だ。しかし近頃はヒュムの世が何かと騒がしい。ゆえに、この里も警戒を強めているのだ」
スピネルが言っていることは本当だ。
ガリフ族は生まれた時に仮面を授かり一生はずすことが無く、狩猟種族だから筋骨隆々であるため恐ろしい印象があるが基本的にとてもいい奴が多い。
セアも100年位前にガリフの里を訪れた時にガリフの人たちは宴を開いて歓迎してくれた。
「里を守る戦士の長として、今一度お前達に問う。何の用があって、この地を訪れたのだ?」
スピネルの問いにセア達は包み隠さず正直に答えた。
「ほう・・・。お前達も破魔石とやらの話を聞きに来たのか。ガリフは口伝で知識を後世に教えている。破魔石について長老方は知らないようだから知っているとすれば最長老くらいだと思うが安易に面会を許すわけには・・・・」
「私は破魔石について知らなければならないのです」
アーシェはスピネルの方を向いてそう言った。
「どうか最長老にお伝えください。私は覇王レイスウォールの血を引くダルマスカ王家の人間です。あなたたちガリフが古の記憶を今に伝えているなら、覇王が手にした破魔石についても、ご存知のはずです」
「お前が覇王の末裔だという証拠はあるのか?」
「それは・・・」
スピネルの問いにアーシェは首を横に振った。
「・・・・・・。お前達を信じよう。最長老はこのつり橋を渡った先におられる」
そう言ってスピネルはつり橋を渡り、アーシェ達も後に続いた。
その先にはこの里の最長老が座っていた。
最長老はスピネルになにか言われるとアーシェに話しかけた。
「そなたが覇王の末裔か。何の用かな?」
「ええ、この破魔石についての話をお聞きしたいのです」
そう言ってアーシェは【暁の断片】を最長老に渡した。
最長老は【暁の断片】を火にかざししばらく眺め、アーシェに問いかけた。
「そなた、この破魔石を使ったのだな?」
「私ではないのです。私には扱い方がわからずそれで・・・」
アーシェの答えを聞き、最長老は少し面白そうな声で言った。
「ほう、どう使うか知らんのか。ならばガリフと同じよの」
「え?」
最長老は自分が若い頃に聞いた口伝を語り始めた。
「往古。ガリフは神々より破魔石を賜った。しかしガリフには破魔石を扱えんでのう。神々はガリフに失望して石を取り上げ・・・今度は人間(ヒュム)の王に授けた。王は破魔石の力で乱世を
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