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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第4話「私、もう少し試した」
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みたいだけど」

グウェンの言葉にイダは「…なんとなく、思いつくだけよ。」と一瞬躊躇して答えた。

「にゃるほど…まあ、それも前世の記憶なんにゃろね」

グウェンはそれだけいうと、更に促した。「あの車は呼び出せるかにゃ?」

そう言って目を輝かせる。期待半分、興味半分の感情がそれには含まれていた。

「どうかなあ…あれから1日近くたってるけど…うーん…あの場所においたままなんだよね、その車」

イダは困ったようにうなると、ジェイガンに促す。

「ああ。あの場所においたままだ。動かし方もわからんし、車輪も固定されてるらしく動かなかった」

イダは肩をすくめてそう言うジェイガンに「あ、やっぱりおきっぱなしなんだ」と言って頭を振る。

「うーん…アレもまだ呼び出せないわね」

そうして試し終えると、やはりマーチも喚び出すことはできず、彼女は落胆した。

(もしかして、本当に一回呼び出したらダメなのかな…?うーん…)

その時、ジェイガンが森の木々を見ながら、思いついたように言った。

「…そろそろか。お前をあのアジトから救い出した時刻は。もう1日たったんだなあ」

ジェイガンはそう言うと、少し離れた切り株に座り込んだ。そして、抱えていた包を開けると、そこから

恐らくヴァレリーがこっそり渡していたのであろう。

エルフたちはあまり作らない焼いた塩漬け肉のサンドイッチと水筒を出した。

「イダ。まだ今日は飯食ってないだろ。まずは腹ごしらえしようぜ」

そう言って、二人にこちらへ来るように促して、にっこり笑った。

ぐぅ、とイダのお腹が鳴る。やはり、相当お腹へってるなあ、と思いながらも恥ずかしさに「あぅ…」としか

いうことのできないイダであった。



サンドイッチは確かに母の作った焼いた塩漬け肉のサンドイッチ。焼いた塩漬け肉と一緒に挟まれているのは

プリンスライムとレタスのマリネだ。プリンスライムは食用にされている魔物の中でも保存性に優れた

サラダや煮物の具としてポピュラーなものだ。きくらげのようなコリコリした食感がある。

そして水筒の中身は、森の果実…イチジクを潰して取った果汁で味をつけた水だった。

「お母さん…助かったわ…」

りんごも柿も二人に食べられてしまい、そしてカレーはあの有様だったので、彼女は本当に何も食べてない。

パサツイた塩漬け肉のサンドイッチをイチジク水で飲み込み、イダはそう言って嘆息した。

量は十分にあり、他の二人も満足気な顔をしている。

「うん。やはりヴァレリーさんの塩漬け肉は肉の匂いが弱くて食べやすい。なにか使っているのだろうか」

ジェイガンの言葉に、少し誇らしげになり、すぐにイダは立ち上がる。


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