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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第3話「私、試してみる」
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かもわからないし。
心の中で付け加え、イダはつくしだった頃愛用していたノートパソコンの電源を上げる。よかった。動く。
かつては見慣れていたWindowsのロゴを懐かしく眺め、そして驚嘆の表情を浮かべる友人二人をちらりと見ると、
いつもどおりにパスワードを入力してログインを行った。ログイン音は「You Are My Sunshine」の歌い出しだ。
「ちょ…声が出た!?声が出たにょ!?」
大げさに驚くグウェンの頭を避け、ジェイガンがつぶやく
「…どこの言葉だ、これは。全然読めないな。」
英語や日本語の羅列を見て、それがおそらくは文字であることがわかったのだろう。ジェイガンはそう呆然と呟く。
「さあ…でも、私、読めるわよ。なぜか」 ―――なんてことはさらさらなく。日本人だったのだから当然だ。
イダはそう軽く流し、「うん…うん。体が覚えてる。やっぱり、これは私にものだね…」とつぶやく。聞こえるように。
彼らにウソを付くのは少し気が引けたが、それでも自分の身を守るためには最低限の秘密は持つべきだから。
「そうか。しかし、不思議な箱だ…これは…雷の精霊か?まさか、こんなに弱く雷の精霊の匂いがするなんてありえん」
ジェイガンやグウェンは族長たちの使う映像を写す魔法を見たことがある。なので驚きは少なそうだった。
つぶやくジェイガンを半ば無視して操作を続ける。今は無性に、起動音に設定していた「You are my Sunshine」が聞きたい。
―――探すこと数分。見つけた、とイダがつぶやき、そのMP3ファイルをダブルクリックする。すると…
『You are my Sunshine...My only Sunshine...』
君は僕の輝く太陽。かけがえない僕の太陽…甘く囁くような男性の歌が聞こえてくる。懐かしい。
彼女の時代から数えて、70年以上も前に二人の音楽家が作り、そしていまもアメリカ国民に愛されている曲だ。
イダは、つくしはこの旋律を愛していた。欲望をあまり持たない彼女にとっては、数少ない好きな曲。
心に染みて、涙がこぼれ落ちた。
「あ…」
涙が溢れる。懐かしい。自分にもそう思う感情があったのか。一つだけの願いを胸に生きてきたのではなかったのか。
だから、過去のために流す涙に、少しだけ混乱した。少しだけ混乱して、そして。
ギュ、と布が擦れる音がして。
「ジェイガン、グウェン…?」
彼女は二人に抱きしめられていた。震えて、消えてしまいそうな彼女を引き止めるかのように。
結果的に、その行為は逆効果に終わった。なぜなら、彼女の混乱を押し留めていた感情の堰き止めを、彼らが情を持って
破壊してしまったからだ
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