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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第3話「私、試してみる」
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取られたくもなかった。
そうして、これの有効な使い方を考えよう、と彼女は呟いた。
「そりゃ、考えるけどな…まさか、店で香辛料やイネをふんだんに使った料理を出すわけにはいかんだろ。
どう考えてもすごい噂になるぞ。あの小さな森の宿では、王宮でも食べられないような料理を出す、なんて恐ろしいことになる」
ジェイガンが確信を持ってそう言うと、イダも「そうだよねぇ…」とため息を付いた。
「それでどっさりリピーターがついちゃったら、それこそ族長さんに怒られちゃう」
「にゃ。それはエルフのほーだけにゃ。わちきらの大爺さんはむしろ金が手に入る、って喜ぶと思うにゃりん」
イダのため息に、グウェンの楽しげな声が重なり、ジェイガンははぁっ、と溜息をついた。
「我らが族長を怒らせるとあとが怖いぞ。そもそも、あの方が…」
ジェイガンがゴニョゴニョと族長について、何やら良からぬ悪口に類する言葉を連ねていると、グウェンが口を開いた。
「べっつにリピーターが増えてもいいんじゃにゃいかにゃ〜要は、リピーターが新客を連れてこなきゃいいにゃ。
だとすると、会員制ですごい料理を出すけど会員数は決まっていて…とかスレばいいんじゃないかにゃ。
元々冒険者の連中も、そんなに大量に来るわけじゃにゃいし、口止め料的に超豪華なのを出せばいいにゃあ」
グウェンは袋の中の香辛料の匂いを嗅いで、恍惚としながらそんなことを言っていた。
「うーん、とりあえずそのへんはおいおい考えるとして、今はこの力の内容を見極めることを考えようか」
イダは考えを切り替え、そう二人に言うとバッグのほうを呼び出した。
「とっころでえ、そのの〜とぱそこん、とかいうのどんなものなの?わかるって言ってたよにゃ?」
少女は目を輝かせ、見た目は彼女よりも少し年上の少女のパーソナルスペースに躍り込み、その胸にすがりついた。
「…相変わらず、ロリコンなのね、グウェン。もう22歳のくせに。だから同世代の同族にモテないのよ。顔はいいのに」
イダがげんなりと窘めると、グウェンは悪びれもせず「にゃあ、わちき、「黙ってれば美人」を目指して邁進中にゃあ」と
割りと顔の作りの普通、或いは悪い人からすれば殺意の沸く言動を吐いていた。
「で、ロリコンって何?稚児趣味のこと?うへへへ、それどこの言葉?」
―――こいつ、どっか気づいてんじゃないのか、と思いつつイダは軽く「そーよ。どこの言葉とか知らない。
いつもどおりよ」と流して頭を垂れる。彼女は記憶を取り戻す前、日本人だった頃の言葉を時たま使っていた。
故に、いつもどおり。ふたりとも慣れたもので、そういうものか、と頷く。
「うーん…とりあえず起動してみるわ。」 ―――動くかどう
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