第五十九話〜見え始めた終幕〜
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明になっていたことをハタと思い出し、自分が今ここに生きて存在することをアピールするように、彼はヴィヴィオを支えながら片手でなのはの頭を撫でてやった。
数秒間その状態が続き、ライとしても心地よい感情があったが、状況が状況の為に早速口を開く。
「なのは、今の状況はどうなっている?」
「……えっと、スカリエッティと戦闘機人は全員逮捕して今は皆ゆりかごから脱出してる」
涙を拭いながらなのはは状況を説明する。彼女の説明によると今ゆりかご内に残っているのはライ、ヴィヴィオ、なのはの3人だけらしい。
クアットロの方にはフェイトが向かい、その持ち前のスピードで回収したとのことであった。
「なら、外の方は?」
「外は……その……」
「?」
「ナイトメアフレームの増援がこっちに向かっているって報告が……」
なのはの口から出てきた言葉にライは緩んでいた表情をすぐさま引き締める。
「スカリエッティのアジトを抑えた部隊が、戦闘機人を確保した後にアジトを調べていたら見つけたって。それでついさっきその機体群が急に起動してこっちに来ているって……」
尻すぼみになっていくなのはの言葉。彼女の雰囲気からライは彼女が説明しなかった部分を察したが、敢えて追求した。
「その規模は?」
「およそ……120機」
「フロートユニットは?」
「全機ではないけど、部隊の八割は飛んでるって報告があった」
彼女の報告にライは苦虫を噛んだ。
ここまでの行程で、ジェイルの方がこちらに有利な条件を出しているのは分かっていたが、これほどまでに出し惜しみしていたとは流石のライも予想外であったのだ。
「管理局側の増援は?」
「予定通りなら後30分で衛星軌道上に集結する筈だよ」
(遅すぎるっ)
管理局側の増援がどの程度の規模なのかは、ライも事前の調査で知っていた。そしてその増援が来れば時間は掛かるがナイトメアフレームの殲滅も可能であると考えている。だが、今地上で戦闘している部隊ではその30分の間で多くの死傷者が出ることもライは予想していた。
命を無駄に捨てなくても上手くいくように行ってきた、今回の事件での行動。たった1人でも出来ることはあると信じてきたが、それをせせら笑うように現実はライを追い詰める。
何かないかと必死に頭を働かせるライであったが、時間が経つに連れて増えていくのは焦燥感のみ。何もできない自分に辟易しそうになったその時、ある声がライの脳裏に響いた。
『やれやれ、童貞坊やの詰めの甘さが移ったのか?』
『C.C.?なぜ君が―――』
『そんな事はどうでもいい。それより話がある』
『今こっちはそれどころじゃ―――』
『まぁ、聞け。実はこっちで処分に困
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