暁 〜小説投稿サイト〜
リリカルなのは〜優しき狂王〜
第五十九話〜見え始めた終幕〜
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
であった。



ゆりかご・聖王の間


 気を失ったヴィヴィオを壁にもたれかけさせ、ライは聖王の間に備え付けられていた投影型コンソールのキーを叩く。
 開いては閉じていく画面群。ライを中心に展開されるその光景は、中世を彷彿とさせるその部屋にはひどく不釣合なものであった。

(ゆりかごから聖王への魔力供給カット。動力炉の維持は最低限。目標高度は予定されている管理局側の増援の近くに再設定。AMFの展開中止。あとは―――)

 ヴィヴィオを無効化したことでゆりかご側へのアクセスは不可能と思っていたが、モノは試しにとやってみたところすんなりとそれは可能となった。これは今現在もヴィヴィオの体内にはレリックが残っていることが原因とライはなんとなく予想していた。しかし今の自分にはそれを摘出することも、治療することもできない事も理解していた為、今は彼女に睡眠薬を飲ませ放置という形をとっていた。
 因みに睡眠薬はデバイスの格納領域内に保存されていた、管理局武装局員の標準装備であるファストエイドキットの中にあったものである。ライも簡易ではあるが今は止血を行い、鎮静剤を飲むことで簡単な治療は行っていた。

(―――よし、操作できる範囲内での作業は終了。外部との通信回線は……これか)

 ここにあるコンソールでゆりかごのコントロールをできるだけ行い、ライは今の周りの状況確認の為に通信回線を開こうとする。
 これまではクアットロが他の戦場の映像を音声付きで流していたが、彼女をライが狙撃してからはその映像も途切れていた。もう一度同じ回線を開こうともしていたが、ライが狙撃した影響か、その回線は何故か使えなくなっていた為、わざわざ別のラインを引っ張ってくる必要があったが。

「こちらゲスト1、管理局機動六課聞こえますか?」

『…………ラ…く…?!……今、どこに……』

 返事は帰ってきたが、それはノイズ混じりで酷く聞き取りにくかったが、聞こえてきた声はライの聞き覚えのあるものであった。

「その声ははやて?」

『……そう…!……今から…脱出するんやけど……そっちに……』

 何か伝えようとして来た所で通信は途切れる。
 通信が途切れたことでここに居る必要性が消えたため、ライもゆりかごを脱出するためにヴィヴィオを背負う。
 そして、いざ部屋を出ようとしたところでその部屋に入ってくる姿があった。

「ライ君!ヴィヴィオ!」

 入ってきたのはなのはであった。彼女はヴィヴィオを抱えるライを見ると、抑えていたものが溢れ出し、2人に駆け寄り抱きしめる。

「なのは?」

「良かった……良かったよぉ…………」

 ライの胸に顔を埋めるようにして、なのはは嗚咽を漏らし始める。
 ライは始めそれに驚くが自分が行方不
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ