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真剣で武神の姉に恋しなさい!
意識
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それを一子に差し出した。

「ありがとー千姉様」

「いいえ。そろそろ飲み物がきれる頃かと思ってね」

 笑顔を浮かべながら言う千李に一子もまた笑顔で返す。二人はそのまま川原に座り込むと互いに川の水面を眺める。

「百代から聞いたけど5月の末にある東西交流戦で二年生には結構な使い手がいるってはなしよ」

「ホント? だとしたら燃えてきたわ!! もっともっと鍛錬しとかなきゃ!」

「まぁ待ちなさいって」

 そう言ってまた立ち上がりそうになる一子を千李が制す。

「がんばるのもいいけど多少は休みなさいね? 当日にへばったら元も子もないし」

「はーい。そういえば瑠奈もがんばってる?」

「ええ。一子に負けないぐらいね」

「そっかぁ……よーし、抜かれないようにがんばらなくちゃ」

 拳を握り締め言う一子に千李は苦笑を浮かべつつ頭をなでた。一子もまたそれに気持ちが良さそうに目を細める。頬も緩みまくっているし完全に愛玩動物状態だ。その後、千李は一子を胡座をかいている自身の上に座らせ頭に顎を乗せた状態でほのぼのと水面を眺めていた。一子もまたそれが嬉しかったのか終始にへら顔でいた。

 ひとしきりそれで過ごした後、千李は一子を解放した。同時に一子は立ち上がり軽く伸びをした後大きく深呼吸をした。

「……よっし!! 十分休んだし、鍛錬続行! 差し入れありがとね千姉様!」

「ええ。だけどあまりこん詰めすぎないようにやりなさいね?」

「わかってるー!」

 一子はそれだけ言うとまた駆け出して言った。その後姿を見送りながら千李は軽く息をつきながら、

「さて、私もそろそろ戻ろうかな」

 踵を返し川神院へと戻った。





「前々から気になっていたのだが。大和と千李先輩の関係はどういったものなんだ?」

 昼休み、唐突にクリスから漏らされた質問に大和は首をかしげた。

「どうってどういう意味だ?」

「いや、京たちから聞けばお前とモモ先輩は舎弟関係なのだろう? だとすれば千李先輩とはどういった関係なのかと気になってな」

「どういう関係って……そりゃあ姉さんの姉さんなわけだから舎弟でいいんじゃないか? 普段も千李姉さんって呼んでるし」

 何を今更と言った風に言う大和だが、心のうちでは確かに妙な引っ掛かりがあった。

 ……でも確かに俺と千李姉さんの関係ってなんなんだろう?

 千李と知り合ってから既に六年ほどと言ったところだろうか。はじめてあった時は本当に二人ともがそっくりで見分けるのが難しかった。

「まぁ自分が変に思っているだけかもしれないからな。特に気にしないでくれ」

「あ、ああ。俺も別に気にしてない」

「そうか、なら助かった」

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