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アセイミナイフ -びっくり!転生したら私の奥義は乗用車!?-
第1話「私、思い出した」
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…なん…で…うそ…あれ…」
手足が動かない。縛られている。でも、なんでこんなに頭が重いんだろう。イダは静かに混乱する。
彼女をあざ笑うかのように、声が聞こえた。男の声。おそらく若い男の声だ。
「カシラ。本当にこいつが、あの旦那の言ってたのなんスかね。どう見てもただの小娘にしか見えねえ」
「我慢しろ。本当かどうかなど、俺たちには関係ない。そうしろ、と言われればこなすだけだ」
「盗賊がこんなことして何になるんで?誘拐だなんだは、冒険者崩れの仕事じゃないスカ」
男たちは勝手なことを話している。おそらく、人数は5人ほどだろう。内容からすると、何者かに自分の誘拐を
依頼された盗賊というところではないだろうか。そこまで判断して、イダはまた頭の芯がしびれた。
「あ…ぅ…」
弱弱しく喘ぐ。その声は、確かに彼らに聞こえていたようだった。
「目を覚ましたようだな。おい、お前ら。猿轡かませておけ。舌でも噛まれちゃしょうがない。生かしてなきゃな…」
彼らの中で、一番偉そうな声がそういって、手下に促す。イダは無理やり引きずり起こされると、その口に猿轡を噛まされる。
ギュ、という音とともに、彼女の口くぐもった音を上げることしか出来なくなってしまった。
「…む、ぐぅ…」
また、弱弱しく喘ぐ。体に力が入らない。頭も全然はっきりしない。
はっきりしないのはなぜだろう。不思議に思うが、その疑問も頭のしびれの前に霧消していく…
「…よくみりゃ、上玉じゃねえか。クマがなきゃ…いや、化粧で隠しゃあ高く売れそうじゃねえか。勿体ねえ」
「んだよ、お前、稚児趣味でもあったのか?こりゃあ付き合い方を考えなきゃいけねえかもなあ」
…どうやら、彼らは自分の容姿に興味を持ったらしい。危機感を覚えるも…やはり。
ダメだ。このままじゃ、ダメだ。どうすればいい?どうすれば。
疼くようなしびれに、益体もないことが思い浮かぶ。そういえば、あの変な模様はなんだろう。
どうしても欲しくなった、あの模様はなんだろう。
イダは朦朧としながら、阪神や巨人という「日本語の」模様のことを思い出していた。
チョセンジン、ってなんだろう。なんで、そんなイミワカラないことを私は言うんだろう。
…その時、盗賊たちの一人が彼女のエプロンに手をかけた。
「なんでえ、いい生地使ってんじゃねえか。エルフの織物だぜ、これ。しかも麻じゃねえ。絹だ。
帝都で買ったらバカみて〜な値がするぞ!カシラ!これは剥いじまっていいのかい!?」
下卑た笑みを浮かべて、盗賊の一人がエプロンを剥ぎ取る。
「…構わん。衣服の有無、確保の状態は問われていない。ただ、手元に持ってきた時に十分に生存可能な状態を
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