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SAO二次創作者と、二次主人公ズの、やりたい放題桃太郎
第三章 救出作戦
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状況は一刻を争う。だがまさきは少女に駆け寄るどころか、その場で意識を少女の動きに集中させた。
筋肉が示す僅かな伸び、縮み。それらを脳内で読み取り、彼女の動きを詳細に予測する。
そして。
まさき「……せっ!」
まさきはゆっくりと刀を振り上げると、目に見えぬほどの速さで振り下ろした。瞬間、風でできた刀身が暴風の奔流へと形を変え、少女の右腕の僅かに上を駆け抜けた。
?「きゃっ!?」
唐突に襲った暴風に、少女は身を強張らせた。が、そのときを見計らったように、まさきは次々と風を繰り出していく。少女の動き、虫の位置、全てが計算されつくした風は、尽く彼女の身体を掠め、その表面にこびりついていた虫だけを見事に吹き飛ばした。
あっという間に、壁に叩きつけられた虫達が潰れる。
?「ぁ……」
まさき「おい、大丈夫か?」
まさきが駆け寄ると、力を使い果たしたらしい少女はその場に崩れ落ちた。かろうじて意識はあるが、目は虚ろで、命の危機が差し迫っていることは誰の目にも明らかだ。
まさき「少し見るぞ」
言うが早いか、まさきは彼女の着ていた着物の帯を緩め、刺された場所を診た。だが、その数はあまりにも多く、彼女の体力的に見ても明らかに応急処置程度では間に合わない。
まさき「血清が要るな……。おい、言葉が分かったら答えてくれ。血清の場所は分かるか?」
?「……む、こう、の部屋……」
まさき「分かった。少し待ってろ」
消え入りそうな声に頷いたまさきは、虫の生き残りがいないことを確認してから彼女を座らせ、言われた部屋に向かう。
部屋の入口から中を覗くと、入口から5M程度の場所に、二人の男が話しこんでいるのが見えた。
「あの小娘何分持つかな」
「さあな。死んだら教えろって言われてるだけだし、後でもっかい見に行きゃいいさ」
「だな。いやあ、旦那も恐ろしいお人だぜ」
まさきは扉をもう少しだけ開けると、腰元から一枚の投剣を取り出した。表面には、毒々しい緑色をした即死性の毒が塗られている。
まさきは距離と方向を確認すると、僅かな隙間から手首のスナップを利かせてそれを投げ入れた。空気を切り裂く音さえ立てずに無音で飛んで行くそれは、右側の男の首筋に、トスッと軽い音で突き刺さった。
「が……っ!?」
首に穴を開けられたせいで声すら上げられぬまま、一瞬にして男は絶命、白目をむいて倒れた。
「!? お、おい! いったいどうし……!」
片割れの急死に気付いたもう一人が、慌てて助けるようにしゃがみこむ。が――
まさき「……遅いんだよ」
「……ッ!!」
男が言葉を言い終える前に、一瞬でもう一人の背後に回ったまさきが、後ろから男の喉元に短剣を突きつけていた。
まさき「血清はどこだ」
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