第二章 六話 面接とレース
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しかも迅速に行われたためカトー機の一撃必殺を狙った乱射はそのほとんどが暗い宇宙の向こう側に消え、直撃をくらうことはなかったがジェガンの武器であるレーザー・ライフルの銃床部に命中した。
「とどめ!」
ライフルを失ったレイアム機にとどめを刺すべく突っ込んで行くカトー機。
「まだいける!それなら......これだ!」
素早く機体状況をチェックして損傷度合いを確認し、レイアムは素早く反撃に移る。
カトー機は残り数発分となったレーザー・ライフルのエネルギーを無駄にせぬよう接近して仕留めるつもりだ。そこに徒手空拳となったレイアム機の勝機がある。
「ライフルを......そう使うのか」
ライフルの銃身部をハンマーの柄のように握り、格闘戦の構えを取る。
しかし、それはレイアムの仕掛けた巧妙なブラフだった。
「距離を詰めては、こちらが不利か」
ライフルの威力は低い。しかし、ライフルを形成する素材は決して脆弱ではない。コクピットブロックに直接打撃を叩き込まれては戦闘不能に追い込まれることは確実である。
ならば、エネルギーを無駄に消費しても遠距離から確実かつ安全にレイアム機を打ち倒すべきだ。
カトーはそう判断した。それはただしかったのだが、この場合はその正しい判断こそが計略にかかるきっかけとなったのである
「距離をとった!これでいただく」
レイアム機はライフルを投げた。
それだけなら、カトー機は単なる囮として処理し、レイアム機を危なげなく仕留めたであろう。しかし、レイアムは最高のタイミングでライフルをなげたのである。
つまり、カトー機がレーザーを撃ってきたその瞬間に、である。
レーザーに直撃されたライフルは爆散し破片を撒き散らしながら爆煙を吹き上げる。これが、レイアムの狙い。
視界の遮断である。
「もらった!」
爆煙を突き抜けてカトー機に突進するレイアム機。
当然迎撃のためにレーザーを撃つも、遮断された視界のおかげで迅速な反応が出来ずに接近を許してしまう。
カトー機に組み付いたレイアム機は猛然とマニュピレーターを駆使して激烈な殴打を加える。
一撃するごとにカトー機の装甲がボコボコと凹み、内部メカがズタズタに損壊する。
さらに一撃し、ライフルを保持した腕を吹き飛ばすとトドメとばかりにコクピットブロックに蹴りを叩き込んだ。
ガクリとうなだれ、機能を停止するカトー機。
決着はついた。
組み付いたカトー機の残骸から反動で離れて行くレイアム機も相当損傷していたが、動けないことはないようであった。
*
アークネージ星 上空
バウンゼィ ブリッジ
ユニコーンで激闘が繰り広げられ、そして終結した頃、アークネージ星の上空ではべつの激闘が繰り広げられようとして
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