第二章 六話 面接とレース
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可能性を否定できないという笑えない状況である。
「ちょっくらバウンゼィを見てくるか......」
もしやと思うがバウンゼィに爆発物なりなんなりが仕掛けられていたらレースの最中にエンジン暴走という形で不本意な死を迎える結果になるかもしれない。ギリアスは被害妄想の気など皆無であるが、白野との行動によりその行動原理の辞書に【慎重】の一文字が書き加えられていたのである。
*
ユニコーン ブリッジ
「なに?そうか分かった。ピザは三分で届けてくれ。」
ユニコーンのブリッジではゲイケットとルートンが惑星経営のテレビ局からの電波を受信してアークネージ放送局のテレビ放送を見ていた。惑星ごとにテレビ局も違うので、バリエーションが豊かであることに疑いはない。
何とかというアクション物の映画が放映されている。
ゲイケットはユニコーンの食堂にピザを注文して腹の足しにするのである。
どうやら宇宙船内部における白兵戦を題材としいるらしく、モニターの上では筋肉モリモリのマッチョマンが並みいる敵兵をブレードでなぎ払いブラスターで穴だらけにし、グレネードを投擲して一網打尽にしていた。
無論彼らは実際はそんな簡単なことでないということを熟知しているが、娯楽作を見て楽しむのと実際に殺し合いを行うことはまた別の次元の話である。
運ばれてきたピザを齧りながらゲイケットがルートンに問う。
「なあ、ルートン」
「なんだ」
「あのギリアスをうちの艦長が鍛えてるの、何でかわかるか?」
「どういうことだ?」
ルートンは白野が大マゼラン時代から公開を共にした古参メンバーではなく小マゼランで砲撃担当クルーとして新たに雇った新参である。なので、ルートンは白野が大マゼランにいた頃から見込みのある0Gドッグをギリアスのように鍛えているのだと思っていた。実際、そういう例は珍しくない。
「今まで艦長はああいう風に誰かを鍛えるなんてことはしない方針だったからな。急に何故......と思わないでもない。」
「単なる気まぐれか?それともギリアスが艦長の眠っていた教師の資質を刺激する程度の才能を持っているのか......詳しいことは俺にはわからんよ。」
「前者か後者か......はじめは前者と思っていたがな......」
「ああ。あれは勇敢というより無謀の類だったからな。」
ギリアスが白野に襲いかかってきた時、白野の指示でバウンゼィの砲門を吹き飛ばしてユニコーンにおける初陣を勝利で飾ったのは他でもないルートンなのである。
熟練砲手である彼からみれば、その時のギリアスの攻め方は無謀そのものであった。
回避もせずに突っ込んできたのだから砲手にとっては良い的である。
「最近は後者に評価が傾きつつあるが......な
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