第二章 六話 面接とレース
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た。
「レーザー・ライフルを上手く使う.....確かに人型兵器操縦歴13年というのは本当らしい。」
白野は感心しながら各候補達のテストを観察し続ける。
ちょうど、配置した敵が候補達のジェガンに攻撃を開始する頃である。
今回のテストの敵として配置したのは大マゼラン製巡洋艦【バスターゾン級】である。軍事大国アイルラーゼンにおいて主力艦【バゼルナイツ級】と共に長年使用され続けてきた巡洋艦であり、対空能力が高い。おまけに僅かながら艦載機を配備する事も可能である。艦の直掩として搭載するのが本来の用途である。
白野が見ているうちに、グラフィック上に表示された架空のユニコーンから次々と候補達の操るジェガンが出撃して行く。
ユニコーンに接近してきたバスターゾン級からも艦載機【シヴィル】が出撃する。
そのわずか5秒後、ジェガンとシヴィルが苛烈な戦闘を開始した。
*
ユニコーン 球形シミュレーションマシン
ユニコーンの艦載機部隊の候補、レイアム・ローはジェガンを巧みに操りシミュレーションマシンのコントロールするシヴィルを翻弄していた。グラフィック上には彼の他のジェガンがシヴィルを相手にレーザー・ライフルを撃ちまくり対抗している。
レイアムもシヴィルの放った超縮レーザーをひらりと躱し反撃のレーザーを撃ち込む。
しかし、ジェガンのレーザー・ライフルは小マゼランの艦載機のパルスレーバーを改造してライフルタイプに変更しただけのものなので威力的にはシヴィルの超縮レーザーに劣る。命中したパルスレーバーはシヴィルの装甲を削りはしたものの致命的な打撃を与えるには至らない。
そこで、彼は極めて大胆な手法を用いてシヴィルを撃破した。
人型の最大の特徴、手足を用いてシヴィルに組みつきゼロ距離からレーザーを撃ち込んでシヴィルを破壊したのである。しかも、爆発に巻き込まれぬようコクピット・ブロックのみを撃ち抜いていた。
コクピット・ブロックを失い宇宙空間を漂うシヴィルを尻目にレイアムのジェガンは敵艦、【バスターゾン級】に向かう。現時点で敵対していたシヴィルを撃破できたのはレイアム機だけであった。
あとはいずれもレーザー・ライフルの威力不足から苦戦をしいられていたのだ。
*
ユニコーン モニタールーム
「確定は......レイアム・ローだな。」
同時刻、モニタールームでは白野が既に雇用対象者四人のうちの一人を確定させていた。
実力的に言って現在のところ合格基準に届いているのはレイアム一人であると判断している。もちろん、これから行われるジェガン対ジェガンの模擬戦闘の結果も加味するがそれでもレイアム雇用は確定したも同然であろう。
残りの三人がどのような顔ぶれになるかは、これからのテストの結果によるだろう。
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