第二章 六話 面接とレース
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はこなせない事である。場合によってはブリッジクルーの一人に艦載機関係専門の戦闘指揮官を雇ってそれに指揮を任せる、という形態を取るかもしれない。
「候補は絞り込んだ。後は明日の模擬戦で決定する。」
「模擬戦?」
「バークに頼んでシミュレーションデータを作ってもらった。戦闘データの蓄積で難易度の変更がおこなられるタイプだ、なかなかに高性能だった。」
白野は先日バークに依頼してパイロット候補をテストするためのシミュレーションデータを制作してもらった。
その内容は、白野の趣味によってモビルスーツによる対空戦と対艦戦を同時に行うようにしてある。
シミュレーションに登場する艦船はそこらへんの軍の巡洋艦や空母に限ってあるが、シチュエーションや戦場が何処かで見たようなもので構成されている。
例えば、一年戦争の最終戦が行われた宇宙要塞とか、そんなものである。
「役にたちそうか?」
「昔一度だけ艦載機に乗ったことがあるが......アレは現実に忠実だな。本当に操縦しているみたいだった。」
「そんなにすごいのか?」
「作ったのはバークだぞ?」
「なるほど。納得だ。」
全ては明日の模擬戦の結果による。
*
バウンゼィ 機関室
バウンゼィの機関室では、先程酒場で話していた二人のうちの片方、がっちりとした体型の男がインフラトン・インヴァイダーの出力チェックを繰り返している。
「さ〜てと......エンジンちゃ〜んしっかりしてくれよぉ......」
呟きながら、手元の端末を操作してエンジン出力の高低をつける。
更に点検を続けていると、普段なら絶対にここにこない人間がコツコツと足音をさせながらこっちにやってきた。
クルーの方はその人物とは反対側の方を見ていたし、まさかここにくるまいという先入観もあったので友人かと思い込み振り返りもせずに言った。
「ケリー、そこにある端末取ってくれ......ありがとさん。って、艦長!?」
クルーに端末を渡してよこしたのは、他でもなくこのバウンゼィの艦長、ギリアスであった。
「よう。」
「どうしたんですかい?こんなとこに?」
「ちょっくら気になってよ。今まで世話になってきた割には一回もバウンゼィのエンジンとか、担当クルーが仕事してるとこを見てねえと思ってな。」
「はぁ......そうですか。ま、今は調整中ですがインフラトン・インヴァイダーはゴキゲンっすよ。」
「よろしく頼むぜ?」
「アイアイ、キャプテン。」
ギリアスは軽くて振りながら去る。
クルーはそれを今までとは少し違った目で見ていた。
「艦長......変わったな。」
そうポツリと呟いた。クルーは考える。あのギリアスという艦長は今まで
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