第二章 六話 面接とレース
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いた。
スペースシップレースの開幕である。
無数に並んだ大小10000は下らないであろう0Gドッグたちの個性豊かな艦船が栄光を掴むためにただひたすらその時を待ち続けている。
そんな艦船の中に、ギリアスの駆るバウンゼィもいた。
「エンジンオールグリーン。出力安定。規定値です。」
「アポジモーター稼働正常。」
「グラビティウェル、異常なし。」
ギリアスのバウンゼィに採用されている艦橋は【ネージ指令艦橋】である。
艦長能力に対するサポートをカットする代償にコマンドタイムを大幅に増加させることがウリのネージリンス製指令艦橋である。艦橋設備のサポートがなくても問題なく艦船運用が可能な手練れの艦長に愛用されること長い傑作艦橋である。
ちなみにこのタイプの艦橋には指揮官席がないのでギリアスは楕円形の艦橋の中心に仁王立ちしている。
バウンゼィのクルーたちは必要事項以外は口にすることなく時を待つ。弓弦が引き絞られるような時が過ぎ、やがてレースの運営からこの宙域に存在するすべての艦船にたいして放送が行われた。
「これよりネージリンススペースシップレースを開催いたします。参加艦船はカンウトダウンの後に発進してください......カウント、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1......スタートです!」
「エンジン全開!一気にトップに躍り出ろ!」
「了解!インフラトンインヴァイダー最大出力!最大船速!」
バウンゼィの特徴的な赤い船体がぐんぐんと加速し、近くにいた艦船をあっという間に引き離す。
「前方に先頭集団確認。総数50!」
「追いつけるか?」
「最大加速でなら5分後に追いつけます。」
「なら、今は......温存だ。機会を待つ。だが引き離されるなよ。」
「了解です。」
この時点において、ギリアスは確かに以前と比べて飛躍的な成長を遂げている。技術面はまだ未熟だが、突出を控える精神的な成長が見られているのだ。
それが、どのような結果につながるかは現在では不明瞭であるが......
続く
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