第二章 六話 面接とレース
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あのでっかい......何だっけ?ユニコーンだ。それに突っ込むって言った時は正気を疑ったがな。今回はあんなどでかい戦艦に戦いを挑むなんてことはないだろう......多分。」
「まあ、アレだ。今回はどっちにせよ勝てなけりゃ俺たちの給料にも影響が出てくる。俺は嫌だぜ?マズイ酒しか飲めなくなるなんてのは。」
「そうだな。......機関の点検、念入りにやっとくか。」
「俺も操艦システムの見直しをしておこう」
「レースか......俺の故郷じゃ、建機でレースしてたな......」
「お前の故郷って、大マゼランのどこだった?」
「ネスカージャだ。ウバハリってえ岩だらけの星さ。何にもないとこだったけど、ほら、ボーカノイドってあるだろ?」
「艦船装甲材だったか?プラズマを弾くっていう?」
「ああ。ウバハリはあれの鉱脈があってな。それで稼いでたんだが......」
一般クルーの片方が表情を曇らせる。
「何かあったか」
さらに片方が聞く。
「ああ。政府のお偉方がな」
お偉方、という言葉にやけに強い憎悪の念が込められていた。
「鉱脈の所有権をロンディバルドに売っぱらったんだ。それも、法外なくらい安い値段で。」
適正価格との差額はお偉方のポケットに転がり込んだのであろうことは確実である。
「なるほど。で、宇宙に出たのか。」
「ああ。もう、建機に乗る気にゃなれなかった。」
「そうか......」
それ以降、そのクルー二人は何も言わずにグラスを傾けることに終始した。
*
ユニコーン ブリッジ
「で、どうだった?パイロット候補は?」
面接を終えてきた白野はブリッジにもどるなりゲイケットにそう聞かれた。
「粒揃いだ。誰彼も空間通商管理局から回されてきた技能データによれば一級品の操縦技術を持っている。」
空間通商管理局は登録された0Gドッグのフェノメナログ(航海記録)からその0Gドッグの能力を概算してデータ化する。ゲームにおける能力を数値で、例えば指揮53などの指標で表す。
「で、誰を雇うつもりなんだ?」
ユニコーンは人手不足であるが、沢山のクルーを雇えばいいというものではない。あまり役に立たないクルーを雇っても金の無駄であるからして、有能な人間を見抜いてそれをスカウトする必要である。
艦載機関係の職はそれぞれの部隊の隊長という形で設定されている。
最大員数は4人までである。4つの小隊長4人の小隊長。そのうち一人が総指揮を現場でとることになる。この役職だけは単にパイロットとしての技倆に抜きん出てているだけでは務まらない。
全体を見回しつつ戦いながらも冷静な判断を下し舞台を正しく運用する必要がある。
並のパイロットに
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