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凡人? 天才? それとも……。
第二話 【クラス委員のご指名】
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 驚きのあまり、思わず声に出してしまう。

「まさか! あんた、大地なの? って、いつまで握ってるのよ!」

 慌てて、凛の手を離す。

「わ、悪い……」

 まさか。たった一人の知り合いが同じクラスとはクヂ運に憑いている。と言うか凛の性格変わりすぎだろ? 真剣に気がつかなかった。だから、初対面な感じがしなかったのか。

 お互い同じようなことを考えているみたいで、凛もなにか言いたげな表情でこちらを見る。
 
 はぁ。と溜め息を吐き呆れた顔で凛を見る。

「おまっ――」

「なに引っ掛かるのよっ! バカァーッ!」

 言葉を遮り怒鳴られる。

 えぇーっ! 俺が悪いのか! 普通おかしいだろう。俺は被害者だっ!
 
 予想外の発言に呆気に取られて動揺する。

「いや、普通こんな事をしないだろう。普通!」

 それでも、自分の信じる言葉(正論)を言い返す。

「なに言っているのよ、大地。これは……あれだ! ……そうよ。この学校の暗黙の行事なのよっ」

 案外、正論が効いたらしく、凛はつい慌ててバカな事を言いだした。その御陰で動揺して焦っている自分に冷静さが戻っていく。それどころか意味不明過ぎて、思考回路が凍り付き停止まで追い込まれそうになるぐらい意味不明。自分がなに言っているかも意味不明。

 ……? 大丈夫かこいつ? でも、変わってないな。昔の俺はこんな凛が好きだったんだな。まあ、俺は昔から変わったし、凛も彼氏ぐらいはいるだろうな。それよりも……

「なんだよ。その暗黙の行事って?」

 …………沈黙。 こいつ全く考えなしに黒板消し置いたな。

「お前はなーっ。昔から後先考えなしに行動するから、これが俺だったからまだしも先せ――」
「それだ! 先生にね。この黒板消しを仕掛けたか? って、疑われた人がクラス委員よ」

 呆れて説教をしようとしたところを遮るように言った。……宣言された。

 呆れているのは俺だけでないようでクラスのみんなも同じ様な反応だ。ただ二人を除いて。

 そんなことも気付かずに凛は上機嫌で黒板消しを仕掛け直す。

「と、まあ。そう言うことだからみんなよろしくーっ」

 みんなはやれやれと言った感じで了解してくれた。とは言ってもクラスのみんなみんなが『OK』『分かったよ』と言うわけでなく。『実際はどうするの? クラス委員二人だったよ。多分』『具体的に教えろよな』などの意見が当たり前に出てくる。

「えーと……具体的にはシンプルに先生に、お前か? って、一番始めに聞かれた人が犯人になるってことで良いかなぁ? 二人にならなったクラス委員が指名で」

『分かった』『了解、了解』『その案で行くか』

 おかしいな。批判や反対の言葉がないだと。
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