第24話「異形の力」
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面に飲み込まれようとしたとき、彼は小さく呟いた。
「ネギ……スプリング・フィールド。カグラザカ・アスナ」
ところ変わってネギ一行。
「――ほいじゃ、ネギ君のお父さんが見つかることを願ってぇ! もういっちょーー」
「かんぱ〜い」
朝倉の音頭を皮切りにジュース入りのコップを掲げ、グラスを打ち鳴らす。
「お前らまた宴会かー!」
エヴァンジェリンの迷惑そうな声もなんのその。
「オヤジ凄かったアルネ〜」
「あれってホントなん、ネギ君――」
眠りについていたはずの彼女達だったが、ネギの過去話を聞きつけ、ネギの内情を知ることとなったのだ。
辛いことのあった過去を克服するため、そして父親に会いたいと願い努力を続けるネギを少しでも励ますため、もちろん何かにつけて騒ぎたいだけというのもあるだろうが、ともかくこうして彼女達は宴会モードに入っていた。
一度盛り上がった彼女達の騒がしさは当分納まりそうな様子はない。
茶々ゼロが「コイツラ元気アリアマッテルナ」と他人事のように呟き「まったく」とエヴァンジェリンも呆れたようにため息を吐く。だが、本気で不快に思っている顔ではない。
滅多に見せない苦笑を浮かべているマスターの顔を認めた茶々丸が微かに笑み、騒いでいる生徒達に飲み物を配る。
既に夜は遅い。
騒ぐ彼女達は放置することにしたエヴァンジェリンが欠伸をして、一人で寝室に戻ろうと向きを変えた時だった。
「……ん?」
ピタリとその表情を一変させた。
「あれ……どうかしましたか? エヴァン……師匠(マスター)」
いち早く気付いたネギが声をかけるが「……ん、ああ」と反応は薄い。
「師匠(マスター)?」
「……」
ネギの声には耳を貸さず、思考に耽る。
そこら辺の人間にはありえないほどの存在感。
例えるなら魔法世界の伝説の一団『紅き翼』のメンバーが近くにいるかのような、そんな雰囲気。魔法も気も一切感じられず、ベクトルは違うがそれでも確かに常人ならざる強さを感じる。
戦闘慣れしている刹那でも気付かないのは、やはり魔法も気も感じられないことと殺気がないことが原因だろう。
こんな閉鎖空間においてそんな空気をかもし出すことの出来る人間は一人しか考えられなかった。
――タケル……か?
そもそも魔法力も気も持たない人間などタケル以外考えられない。だが、今まで見てきた彼から察するにこれほどの並外れた存在感を醸しだすことも考えづらい。
険しい顔をしたまま黙っているエヴァンジェリンの近くで困ったように佇むネギに「黙ってついてこい」と小声で漏らし、歩き出す。
「え、あの……?」
戸惑いつ
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