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ネギまとガンツと俺
第24話「異形の力」
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倉に、大きく頷く彼女達。

 計7名もの女性徒たちはこうして、この空間に見事不法侵入を果たしたのだった。




 この空間での時間が過ぎ去り、深夜。

 昼間ははしゃいでいた生徒達も、睡魔には勝てずにぐっすりと寝込んでいる。

 タケルは一人、地面に寝転がって夜空を見上げていた。

 何かがあるわけではない。何かを考えるでも、自然に心を傾けているわけでもない。ただ、本当に何となく。

 ボーっと、という表現が最も彼の状態を表している。

 昼間のことを思い出していた。

 アスナたちがネギを心配してここにやって来た件について、だ。

 昼間は確かに、悪びれた様子もない彼女達に微かに苛立ちを覚えていた。だがよく考えてみれば、それだけネギのことを心配していたともとれる。

 つまり、他の事に気が回らないくらいにネギを心配していたのかもしれない。

 そう考えれば、彼女達への非常識加減への苛立ちも収まり、むしろ微笑ましくすら思ってしまう。
事実はわからないし、改めて聞こうとも思わないが、彼女達ならきっとそうなのだろうと、なぜかそう思えてくるのが自身でも不思議だ。

 昔なら相手の心情を考えることなどなかった。ただ淡々と事実のみをつきつけ、それを受け入れる。

 それが当然で、当たり前だったはず。

 ――……なんだけど。

 全く以て、不思議な気分だった。

「……」

 寝転がり、空を見上げる。

 海が波打つ音のみが聞こえていたはずだったが、気付けば小気味良く地を蹴る音も耳に届く。

 ――ネギ、か。

 わざわざこんな時間に一人で修行に励もうとするのは、単に今日の遅れを取り戻したいからか、それとも生徒達に邪魔をされたくないからか。

 どちらにせよ出張る必要はないだろうと自分に言い聞かせ、そのまま空を見上げ続ける
 
 ――そういえば……。

 一度ネギのことを考えてしまったせいか、思考はいつの間にかネギのことへ。
彼がなぜあれほど急いで強くなろうとしているのか、なぜこんな空間を使ってまで必死に強くなろうとしているのかが、わからない。

 もちろん、一度尋ねたことはある。

 そのときの回答はネギ曰く「これから何があっても彼女達を守れるようになりたいんです」という模範的な回答だった。

 その時は適当に「頑張れ」と応援した気がするが、やはりどこか納得がいかない。

 彼女達を守れるように強くなりたいというネギの答えは立派だとも思うし、嘘をついているとも、何かを隠しているとも思わない。

 だが、当面に差し迫った危険はネギにはないはずだ。わざわざ、こんな人間としての時間のあり方を歪めるような空間で修行を行う必要などないはずなのだ。


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