二十四 対面
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は、その実、石盤と同じ術式の一部である。
神農が闇のチャクラを使うたびに光る円環の輝きを、ナルトは見過ごさなかった。そこまで解れば、如何に闇のチャクラを還元出来るかは考察するまでもない。精微な術式であるが故にどこか一部でも欠けたら、それはもう使い物にならなくなる。
神農に攻撃しているように見せ掛け、実際は床を執拗に傷つける。その手段の一つが【表蓮華】。神農のような巨体が高速落下すれば当然床は瓦解する。だがよほど頑丈なのか、円環には罅が入った程度。だから次の一手を考えた。
鋼糸で大理石の山を広間の中央に集結させる。さすれば例え山を崩されても床は瓦礫で傷つくだろう。飛び散った破片は、床に施されている円環に亀裂を走らせる。円環の術式は【表蓮華】の衝撃、それに大理石によってズレを生じた。
ナルトは最初から円環一点に集中攻撃していたのだ。
次に神農自身のチャクラの流れを乱す。そのための対策が【柔拳法・八卦―六十四掌】である。
経絡系や点穴を視界に捉えられる『白眼』。柔拳はその眼を持つ、日向一族のみに許された体術だ。だがそれは逆を言えば、経絡系や点穴の正確な位置を把握していればよいということ。特殊な眼がなくとも不可能ではない。勿論逆に相手のチャクラを急増させてしまう可能性もあるので、生半可な知識では扱えない。
この要塞に潜入した際、ナルトと香燐は隠し扉を見つけた。図書館のようにぎっしり書棚に並べられていた書物は、神農が世界中から掻き集めたもの。そしてナルトがあの時、目を通していた資料の内容は、人体にある点穴についてだった。
【活性拳】の円球が弾け、そしてまた神農自身の姿が変貌したのも、全てはチャクラ不足が原因である。
究極肉体を維持するには膨大なチャクラが必要不可欠。チャクラを枯渇することなく使い続けるには、よそから持ってくるしかない。だから神農は零尾を使い、闇のチャクラを自身のチャクラに変換していた。その役割を担う円環の術式が少しでも欠落すれば、当然チャクラの循環が狂い始める。
チャクラを大量に消費する神農と闇のチャクラを生み出す零尾は、言わば需要と供給の間柄である。だがナルトによってその均衡状態は崩されてしまった。
チャクラが乱れた事を知らずに、大量のチャクラを使おうとすれば神農の身体は変化に耐え切れない。既に究極肉体を維持するだけのチャクラが足りないからだ。
だから無理に【肉体活性の術】を使おうとした神農は衰弱した…―――自らの寿命を縮める結果になってしまったのだ。
究極肉体を持つ神農に通用しない【表蓮華】を繰り出したのも、無駄だと知りつつ大理石の山で押し潰そうとしたのも、全ては【八卦―六十四掌】に繋げるための伏線だったのである。もっとも正確に連打出来たのは五十六ヵ所で、八ヵ所は少し位置がズレてしまったようだ
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