第八十一話 バトルゲームその四
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熱湯を一瞬にして変えた、今度は。
それを氷に変えた、しかもただの零下ではない。
零下二百度まで下げた、絶対零度まではいかないがそこまでだ。千度の熱気の後でそこまで一気に下げられて。
鬼は動きを止め相反する力を受けた衝撃に最初は耐えていたが。
すぐに力尽きたのか身体のあちこちから濃紫の瘴気を出してそのうえでだった。
激しい爆発を起こし消え去った、後には何も残っていなかった。
これが上城が今出した技だ、加藤はその一部始終を見届けて言った。
「水を知っているな」
「知りました」
最初から知っていたのではない、今になってだというのだ。
「それで使いました」
「そうだな、いい技だ」
「褒めてくれるんですか?」
「ありのままを言っただけだ」
こう返す加藤だった。
「ただそれだけだ、だが」
「それでもですか」
「いい技であることは事実だ」
それでだ、思ったことをそのまま上城に対して言ったというのだ。
「水は熱することも出来れば冷やすことも出来る」
「そしてそれを使えば」
「様々な戦い方が出来るな」
「ですから」
それでだ、今の様な使い方をしたというのだ。
「水は熱も使えますし圧力も使えます」
「汎用性はかなり高いな」
「ギリシアの哲学者でしたね、万物の根源は水でしたね」
「そうしたことを言った学者もいたな」
ギリシアでは万物の根源で様々な主張があった、火という者もいれば原子即ちアトムとする者もいたのだ。
そしてだ、上城はここではこの言葉を出したのだ。
「万物の根源ではなかったですが」
「極めて重要なものであることは事実だ」
「はい、ですから」
「水を使いこなせれば強い」
「そのことがわかってきました」
そしてだ、それを実現出来る力を備えてきたというのだ。
「ですから今もこう出来ました」
「そういうことだな、ではだ」
「まだ、闘いますか?」
「言ったな、今の鬼は俺の全力を注ぎ込んだものだ」
「それじゃあ」
「あんたはどうかわからないがな」
「いえ、僕も」
加藤も今ある力を全て使った、そして上城もだった。
「今はこれ以上は」
「出来ないな」
「はい」
そうだというのだ、彼も。
「ですから」
「そうか、それではな」
加藤は上城のその言葉を受けた、そのうえで。
着地した、上城もその前に降り立つ。そうしてそれぞれ剣を収めると。
「次もだ」
加藤から言ってきた、この時も。
「楽しませてもらう」
「相手を倒さなくてもいいんですか」
「倒せばそれでいい」
それもまたよしというのだ、だがここではこうも言う加藤だった。
「しかし同じ相手と何度も戦うこともだ」
「面白いんですか」
「要するに俺は戦えればそれでいい」
あくまでだ、戦い
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