第72話 参戦! アーマードライダーナックル
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「――踊ろう」
やがて掠れた声で、けれどはっきりと、舞が言った。
「あの人の、言う通りだよ。お客さんが、一人でもいるなら、踊ろう。みんなで、みんなでビートライダーズの、意地を、意地を見せようっ」
「やりましょう」
光実も舞に続く。
「ここで踊らなきゃ、一生後悔する!」
舞と光実の言葉に、次々と続く言葉が上がる。
咲が講師を見ると、講師は満面の笑みを返した。
そうだった。アマチュアであろうがごっこ遊びであろうが恥じることなど何もなかったのに。邪魔されようが、やめる道理などなかったのに。
「咲」
「ヘキサ……」
「踊りましょ。いつもどおりに。センセーが教えてくれたとおりに」
「――、うん」
ヘキサが差し出した手。咲は拳を解いて、ヘキサの手を握り返した。
「ぐぬぬっ……ならしかたないわね!」
凰蓮が手を叩いた。するとクラックが開き、インベスが3体召喚される。観客や野次馬から悲鳴が上がった。
「皆さーん! またビートライダーズがアブナイ怪物を出しましたよ〜」
(何てヤツ! ビートライダーズが怪物を出すからやっつけに来たんじゃなかったの!? 自分でインベス出して、あたしたちのせいにして、めちゃくちゃだこいつ!)
咲はヘキサを見返した。ヘキサは肯く。咲はドライバーを出しながら即席ステージを飛び降り、紘汰の横に並んだ。
紘汰は、咲の行動を受け容れた。
「センセーは離れててっ。――これ以上はあたしたちがゆるさない」
「ああ。邪魔させるか。ここは俺たちのステージだ!」
「「変身!!」」
《 オレンジアームズ 花道・オン・ステージ 》
《 ドラゴンフルーツアームズ Bomb Voyage 》
紘汰は鎧武に、咲は月花にそれぞれ同時に変身し、即席ステージに上がったインベスに挑んだ。
『そこは俺たちのステージだって――!』
『――言ってるでしょーが!』
二人で息を合わせてインベスを即席ステージから蹴り落とす。そして、次々と増えるインベスと、さらにはブラーボに変身した凰蓮との乱戦にもつれ込んでいく。
「紘汰さん、僕もいきますっ」
『ここは俺たちに任せろ!』
「――待ってくれ!!」
それはこの場面で上がるはずがない人物からの声だった。
「ザック、まさかっ」
「今ここは鎧武だけのステージじゃない。リトルスターマインだけのステージでもない。お前たちだけに戦わせない!」
ザックが取り出したのは、量産型の戦極ドライバー。月花は驚く。あれは戒斗がユグドラシルから脱走する時に持ち出したものだ。
ザックは力強くベルトを装着してから、クルミの錠前を開錠し、バックルにセットした。腕は下から上へ。カッティングブ
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