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lineage もうひとつの物語
オーレン戦役
ケレニスの陰謀
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様。あの攻撃でも無事でいらっしゃるとは」

「デーモンを復活させて何をするつもりだ?」

アイスクイーンは右手に魔力を集中させいつでも戦えるように体制を整える。

「暇つぶし」

ウィザードはそう一言だけ伝えると瞬時にファイアーボールを唱える。
迫りくる火球を難なくコーンオブコールドの魔法で迎撃したアイスクイーンは情報を引き出そうと更に語りかける。

「暇つぶしか。私のいる地で好き勝手されては困るな。で、貴様は何者だ?その強さは人とは思えぬが」

「歴とした人ですよ。申し遅れました、私はケレニスという者です」

なるほど、反王の暇つぶしか。

「陛下の右腕の者だな。国を乱して暇つぶしとは聞いて呆れる。しかし私がいる限りここでは好き勝手させんぞ?」

アイスクイーンの物言いはハッタリでもなんでもない。
紛れもなく正論である。
アイスクイーンの魔力はデーモンを凌駕すると謂れ恐らくアデン全土でも最強の部類にあるだろう。
故にモンスターの類いがオーレン地方にはおらず、寒さを除けば一番過ごしやすい場所といえた。

「ええ、そうですね。アイスクイーン様が万全の状態なら手を出す真似はしませんし名乗ることもしませんでした。万全なら・・・」

口の端を吊り上げ不気味に微笑むケレニスにアイスクイーンは戦慄した。
ここまでの筋書きは全てこいつが仕組んだことなのか。
デーモンを復活させ私と戦わせようと。
もし封印されても何れかは魔力を提供し弱まるであろうという確信が。
タイミングよく現れたエルモア兵のゾンビもケレニスの策略に間違いはないだろう。

「そうか、ここまでは貴様の筋書通りか。しかし、あまり舐められては困る!ここで食い止めさせてもらう!」

一気に魔力を高めたアイスクイーンは先手必勝とばかりにアイスランスを連続で叩き込む。
ケレニスは瞬時に反応しファイアウォールで防ぎ同時にサンバーストを唱えた。
カウンターマジックでそれを跳ね返すとブリザードを唱え周囲半径20m程に極寒の空気が立ち込めケレニスを凍結させようと気温が一気に下がっていく。
コールライトニングの雷がアイスクイーンに襲いかかりブリザードの詠唱の中断を余儀無くされた。

「焦りすぎではありませんか?アイスクイーン様。」

「いや、ほんの小手調べだよ。覚悟はいいかい?」

こいつはやばいかもしれない。
しかし負ける訳にはいかない。
こいつがいる限りこの地に平和は訪れない。
私が愛したあの人を守るためにも。

「ふふふふ。アイスクイーン様にはあちらの世界へ帰ってもらいましょうか」

そして二人の魔力は象牙の搭最上階を背景にぶつかり合った。
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