暁 〜小説投稿サイト〜
lineage もうひとつの物語
オーレン戦役
ケレニスの陰謀
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
見え、キャスタはまるで弟を見ている気分にさせられた。
そして魔法力の回復が終わり戻ろうと立ち上がった直後、象牙の搭頂上付近で激しい爆発が起こった。

「まさかデーモンが!?」

タラスの言葉が頭を過りレミジオが大声を張り上げる。

「デーモンだと?」

キャスタは他の三人と同じように爆発のあった塔の最上階を凝視する。
空は薄暗くなってきており詳細まではわからない。
ただ何か動いているのは確認できた。

「何が起こっているかわからないが我々はゾンビ達を処理するのが先決だ。今はギラン部隊に任せよう」

そう言うとシルバーロングソードを握り締め戦場へと進み出す。
キャスタの後を三人が追い最前線に戻っていった。





塔での爆発は村にいる者達全てが確認しておりナイルも例外ではなかった。
ゾンビ襲来直前に見た人影を思い出し不安に駆られる。
すぐにでも駆け付けたい衝動に駆られるがゾンビをどうにかしないと話は進まない。
魔力は回復しており戦場へ戻ろうとフィオナを伺うと既に戦闘体制を整えていた。

「行きましょうナイルさん。まずは目の前のことから処理しないとね」

この娘の機転の良さには驚かされることが多々ある。
しかしこんなに頼もしいと思ったことは今までなかっただろう。
恐らく自分は余程変な顔をしていたのだろう、フィオナはキョトンとした表情を浮かべ目の前で手を振っている。

「ナイルさーん、行きますよー。返事してくれないとイタズラしちゃいますよー」

思わず笑ってしまいフィオナも釣られて笑い出す。

「わ、悪い。行こうか」

「りょーかい!」

元気よく返事をするフィオの頭を撫で南門に向けて歩き出す。

「うわぁ!ナイルさんやればできるじゃん!」

何をだ?
そう思うが口にせず背後にフィオナの気配を感じ振り向くことなく戦場へと飛び込んでいった。





象牙の搭ではゾンビ相手に戦闘が開始されており最初はガルダミスが指揮を取っていたのだが負傷し、今は息子のノイマンの指揮で戦闘が続けられていた。
ガルダミスは文官出身であり戦闘は得意ではないが息子ノイマンはナイト訓練所出身ということもあり危なげなく剣を振るっている。
頭上ではアイスクイーンが正体不明の敵と戦っており先程の大爆発の被害も少なくない。
ノイマンは自分達が地上にいることでアイスクイーンの足枷になるのではないかと危惧し部隊を下げ塔内側の入り口で迎え撃つよう指示を出す。
この動きがアイスクイーンに伝わり笑みがこぼれる。

「的確な状況判断だ。有難い」

目の前にいる正体不明のウィザードはとてつもなく強い。
万全の状態ではない自分では地上を気にする余裕などないだろう。

「流石はアイスクイーン
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ