3:第五十二層
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のは、その迷宮区から正反対の方角に位置する、過疎中の過疎地域にある《ウィークラック》という小さな村だ。
ユニコーン目撃者達は、この近辺が殆どマッピングがされていないのを良い事に、トレジャーボックス発見や未開のダンジョンの探索を目的とし、この村を行動の拠点としていた。そしてユニコーンを発見する幸運と同時に、死神に襲われる不幸に見舞わされたのだ。
……そんな中。俺は今、クラインが支給してくれた転移結晶を使い、ジュインからウィークラックへ転移して、村の入り口に立っているという訳なのだが。
「……これは一体、どういうことだ……?」
開口一番、俺は目を見開いてこう言わざるを得なかった。
なぜならば……
「――遅いよ、キリト君」
俺の目の前には、見知った顔が……
「ア、アスナ!? それにっ……」
「やっと来たわね。待ちくたびれちゃったわよ」
「お久しぶりです、キリトさんっ」
……よりによって、団体で待っていたからである。
「リズに、シリカまで……!」
「ピナもいますよ?」
きゅるる! と、ビーストテイマーであるシリカの肩に乗った小さな使い魔、フェザーリドラのピナが俺に向かって元気に鳴いた。
「あ、ああ……」
呆気にとられつつも、あえてもう一度、心の中でこの言葉を繰り返す。
……これは一体、どういうことだ?
俺は昨夜、単身でこの任を任されたはずである。チャンスは一度きりの困難な依頼に加え、危険な事件に接触し、少なからず命の危険に晒される可能性すらあるのだ。
なのに何故、彼女達が?
「クラインさんに頼まれたんだよ」
「な……」
俺は考えが顔に出ていたのか、アスナがクスリと笑って言う。
「今朝、リズのお店でコーヒー飲んでたら、クラインさんが突然やってきてビックリしたよー。それで話を聞いて、そのまますっ飛んできちゃった」
「そゆこと。加えてあたしは、クラインに新しいカタナの鍛冶を頼まれてんの。材料集めだってスミスの立派な仕事よ。しかも、あのユニコーンの武器が打てるんだもの、このあたしが出てこないでも思った? 勝手にあたしの材料を調達なんて、許さないんだからね!」
「その時、お店にあたしも居たんです。これも何かの巡り合わせだと思って……来ちゃいました」
最後にシリカのはにかむ笑顔で締め括られた。
「き、来ちゃいましたって……そんな気軽で済む問題じゃないんだ! この依頼は困難なだけじゃなくて、本当に命が危ないんだよ! あのな、死神って言うヤツが……」
「《死神事件》でしょう? ……わたし達も、もう全部知ってる。わたし達は、それを承知の上で待ってたんだよ、キリト君」
「――――――。」
俺はいよ
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