六十八 禍の根
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「カカシ…ッ!!」
家主の許可なく、飛び込んで来た教え子。勝手に部屋へ乗り込んで来たサスケに、カカシは苦笑を漏らした。
「お前ね…。不法侵入でしょ〜が」
「そんな事はどうでもいい!五代目火影が決まったってのは本当か!?」
「…やけに耳が早いね」
珍しく切羽詰まったサスケに圧倒され、目を丸くする。カカシの驚愕を余所に、サスケは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「……志村ダンゾウだと聞いた」
ギリッと唇を噛み締める。不満を隠しもしない教え子の苦い顔を、カカシは訝しげに覗き込んだ。
「何?ダンゾウの事、知ってるの?」
「……いや」
一瞬動きを止めたものの、ゆるゆると頭を振る。直後「だが、裏の人間だと聞いた」と付け加えるサスケの顔を、カカシは横目で窺った。
僅かな動揺を察しつつも、素知らぬ顔を作り、腕を組む。サスケと向かい合うよう窓を背にして、瞑目したカカシは静かに語り出した。
「確かにダンゾウは裏の人間だ。不穏な噂も絶えないし、冷酷非道な野心家と言われている……―――サスケ。お前、『根』の事は?」
「暗部を養成する為の組織らしいな。あんたもいたのか?」
サスケの問いを耳にした途端、真顔になる。ややあって口端を歪め、カカシは自嘲した。
「暗部に所属していた事もあったよ……でも俺は、ダンゾウの味方じゃない」
言葉を濁した前半に比べ、後半はきっぱりとした口調で答える。そしてカカシは、ダンゾウについて意外と博識なサスケを怪訝に思いつつも、話を続けた。
「ダンゾウは三代目とは真逆のタイプだ。穏健派と対立しているのをよく見掛けるよ。非情な作戦もよく実行してるし、今回の火影襲名の事だって半ば強制的…。根っからの武闘派だな」
「…………」
「まぁ、まだ大名からの任命だけだから…」
そこでカカシはわざと言葉を切った。サスケの真摯な眼差しを受け、力強く答える。
「まだ正式には火影と認められていないよ」
あからさまに安堵したサスケの様子を見て取って、カカシは内心奇妙に思った。
火影を夢見るナルならともかく、あのサスケがなぜここまで拘るのか。
もしかしてナルに触発されてサスケも火影を目指すのか、とカカシは少しばかり微笑ましい心持ちになった。勘違いされてるとも知らず、サスケが意気込んで訊ねる。
「それじゃ、まだ撤回は出来るんだな!?」
「う〜ん、それはどうかなぁ…。今現在、火影の椅子が空席なのは事実だ。何れにしても誰かが火影にならないといけない。このままだとダンゾウの就任は時間の問題だな」
大名からの承認は既に得ているみたいだし、と肩を竦めたカカシの前で、サスケは怒鳴り散らした。
「そんなもの、脅したに決まってる!」
「ちょっとちょっと!そんな大それた事、口
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