少女と亡霊
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(ナツ〜、まずいよ・・・早く来てよ〜・・・)
ハッピーは困ったようにナツの到着を待つ。
そんな中、ルーは真っ直ぐにジェラールを見ていた。
(世の中には必要とされる悪人もいる・・・だけど、僕はアイツらを許せない。エルザは目の前にジェラールが現れた時、彼を許せるのかな・・・?)
そんな事になっているとは全く知らないナツ達はというと。
「だはーっ!」
「ぶはーっ!」
「何疲れてるのよ」
少々ボロボロになり怪我を負っているナツとグレイは苦しそうに息を切らした。
ティアは見事なまでな無傷状態で息1つ切らさず立っている。
そしてその目の前にはザトーとガトーを含めた裸の包帯男全員が倒れていた。
「何だよこいつ等、ザコじゃなかったのかよ」
「意外とやるじゃねーか・・・」
「そうでもないわ。この程度のギルド、探せば星の数くらいはあるんじゃない?」
口元の血を拭うナツと溜息をつくグレイにティアは顔色1つ変えず言い放つ。
彼女にとってこれくらいは朝飯前のようだ。
「当たり前よ!相手はギルド1つよ!何考えてんのよアンタ達!」
「でも凄い・・・こんな数をこうも簡単に・・・」
物陰に隠れて怒鳴るシャルル。
その横に立つアランは呆然と呟いた。
「オイ!ぎゃほザル!おめえらのアジトはどこだ!」
「ぎゃんっ」
ナツはザトーの首根っこを掴む。
「言うかバーカ、ぎゃほほっ」
当然言わないザトー。
が、次の瞬間。
《ゴンッ!》
大きな音が響いた。
「オイ!でかザル!」
どうやらザトーに頭突きをかましたらしい。
すると、ティアは溜息を1つついてナツを退ける。
「退きなさいナツ」
「ア?」
「アンタは敵から物を聞き出すのが下手すぎるわ。私が手本を見せてあげるから」
そう言うとティアはつかつかとガトーに向かい――――――
「!」
勢いよくガトーの首根っこを掴んだ。
その右手には鋭く尖った水の剣。
そして青い目には尋常ではない殺気。
華奢な身体からは底知れない殺気が放たれている。
「六魔将軍の拠点の場所を言いなさい。言うも言わないも自由だけど―――言わないなら、アンタの首ぶった切るわよ」
その目は本気だ。
冷酷で無慈悲な瞳がガトーを睨みつける。
「あ、あれは手本じゃねー・・・よな?」
「手本だとしたら、悪い方の手本だな」
「え、えーっと・・・」
「本当めちゃくちゃね、アンタ達」
容赦の欠片もないティアにナツは声を震わせながら呟き、グレイが呆れたように言い、アランは困ったように首を傾げ、シャルルは呟いた。
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