04 「意外とお茶目」
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夏休みも終盤に差し掛かった頃、俺は地球に戻ってきた。行くときとの違いは、一緒に戻ってきたのがレーネさんではなくシュテルというところだろう。
しばらく帰っていなかったため、きっと埃がたまっているはずだ。まずはそれを掃除しないといけない。
……それにシュテル用の家具とかも買い揃えないといけないのか。ファラのデータを送る機材とかはレーネさんの部屋にあるけど家具とかは共有できないし……というか、シュテルの衣服も俺が洗濯するのだろうか。レーネさんは叔母だから特に気にしないけど、シュテルのは……家の前で立ち止まってるわけにもいかないし、そのへんのことはあとで話し合おう。
「……ここがショウの家ですか」
中に入ると、シュテルは視線をあちこちに向ける。感情が表に出ていないため、はたから見れば興味がなさそうに見える顔だ。俺は手に持っていた荷物をそのへんに置いて、彼女の方に手を出した。
「……?」
「荷物持つよ」
「ああ……気持ちはありがたいのですが、お気遣い無用です」
そう言われてしまえば、これ以上は何も言えない。
シュテルに返事を返し、彼女を何も置かれていない空き部屋に案内する。部屋の大きさは俺が使っているものと同じ。子供部屋がふたつあるのは、両親は男女ひとりずつ子供がほしかったらしい。と、レーネさんが前に言っていた。
部屋の中は何も無いため綺麗だとも言えるが、しばらく留守にしていただけに埃がところどころに確認できる。
「ここを好きに使っていいから……といっても、先に掃除と家具を揃えないといけないけど。お金はレーネさんが出すって言ってたから、一段落したら見に行こうか」
「ご好意は嬉しいのですが、そこまでしなくても構いませんよ。最初はレーネの部屋を使うと思っていましたし」
「それだと寝たりするのはいいけど、着替えとか困るだろ? レーネさんの部屋にはレーネさんの衣服が仕舞ってあるんだから」
「そうですね……どう考えても、今の私に彼女の衣服は合いません」
不健康そうな顔ばかりに目が行ってしまうが、レーネさんはスタイルが良い。隈さえ無くなれば、良い人がすぐにでも見つかりそうな気がする。家事が出来る人でなければ、結ばれてもすぐに破局しそうではあるが。
レーネさんには本当に感謝しているので、俺のことばかりでなく自分の幸せも考えてほしい。とはいえ、彼女はやりたいことをやっている状態だと言えるため、幸せな生活を過ごしているかもしれない。
今はまだ将来のビジョンは見えていない。進もうかと思っているいくつかの道は見えているが。これだとまだ決めていないため、今後どうなるかなんて分かりはしない。だけど、レーネさんを見ているせいか仕事が恋人というような将来は嫌だと思っている。
「俺はこれから家の掃除するから、シュテル
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