第71話 ライダーズ・オン・ステージ @
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チラシ貰ったから観に来てやったぞー」
講師はひらひらとチラシを上げて振る。咲は仲間と顔を見合わせた。確かに講師にチラシを渡しはしたが、本当に来るとは思っていなかった。
「イイ歳した大人が、マナーがなってねんだよ。こちとら観に来たくて来たんだい。茶々入れるくらいなら帰れっての」
「あだ! いだ!? ちょっとアナタ、ゲシゲシするんじゃないわよ!」
「せ、せんせー……」
かける言葉もないとはこのことか。バロンはもちろん、鎧武や龍玄が二人がかりでやっと競り合ったアーマードライダーブラーボの中の人にこの暴言と暴力。
「さてと、あんたたち――ああ、違う違う、あんたらじゃない、後ろの子たち」
講師が次にビシッと指差したのは、チームバロンの斜め後ろにいたリトルスターマイン。
凰蓮の惨状を見た後だけに、咲たちは呼ばれただけで縮み上がった。
「人目がなきゃ演技できないなんて教えた覚えはあたしにゃないよ。特に出場経験も実績もない連中が、お客さんの人数に文句つけるんじゃない。はるばる来て下さった方たちに失礼だ。プロにでもなったつもりかい?」
「あ……」
重い。一度はプロの舞台に立ったことがある講師だからこそ、彼女の言葉には重みがある。
咲たちが一様に俯いていると、講師はしょうがない、とでも言いたげにニカッと笑った。
「踊りなさい。アマチュアだろうが遊びだろうが、あんたたちはダンサーだ」
広場は水を打ったように静まり返った。
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