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少年少女の戦極時代
第68話 悪者はだれ?
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 咲は紘汰の後ろに付いて、チーム鎧武のガレージに入った。

 ――つい先ほどのことだ。今日はチーム鎧武が司会でトップランカーの会合が開かれる日だった。その会合に向かっている途中で、咲たちは鎧武がライオンインベスとカミキリインベスと戦っている場面に出くわした。
 咲は一緒にいたナッツとチューやんを先に行かせ、自身は月花に変身して鎧武と共に戦い、インベスを撃退した。

 そしてようやく今、チーム鎧武のガレージに紘汰ともども来ることができたのだ。

「ただいま」
「おじゃまします」
「おかえりなさい。咲ちゃんはいらっしゃい」
「……ダメだったんだな」

 ガレージの中には、人が集まっていたらしき形跡はあるが、いるのはチーム鎧武と、ナッツとチューやんだけだ。交渉は決裂したのだろうと咲にも読み取れた。

 舞がテーブルを叩くように立ち上がった。

「あたし、バロンのとこに行ってくる! チャッキーたちはイベントの準備始めてて」
「待ってくださいっ、舞さん一人じゃ」
「俺が行くっ」

 舞は咲の横を行き、傍らの紘汰は舞を追って、それぞれガレージを出て行った。


 彼らを見送り、咲は階段を降りて仲間に目をやった。

「どうなったの?」
「『バロンの戒斗とは踊れない』だそうよ。被害者ヅラしてくれちゃってさ。だれか一人悪者にして、それで何がカイケツするのよ。セキニン逃れもイイとこだわ」

 窓際のソファーにいたナッツが、床に届かない足をぷらぷらさせる。ナッツの横に立つチューやんも合わせて項垂れた。

「……悪いのは、バロンのカイトだけじゃないのに」
「うん……これは僕たち全員が悪いことだ。バロンがいてもいなくても、ビートライダーズはインベスゲームでの縄張り争いをした。僕らでさえそうだったんだから」

 光実の核心を突く言葉に、チーム鎧武のメンバーは一様に俯いた。

「……咲たちはどうだったんだ」
「あ、そうよそれ。ここにいるってことはちゃんと退治できたってこと?」
「うん。紘汰くんと二人がかりだったから」

 ユグドラシルを脱走してから、咲は前より紘汰を近くに感じるようになった。それは決して色めいたものではなく、同じく辛い真実を知っている者同士のシンパシーだ。

「ただ、周り人たちの反応はあんまし……」
「また逃げられた?」
「おっしゃるとーり」

 カウンターにいたラットがテーブルに顎を突いた。

「紘汰さんも咲ちゃんもこんな頑張ってんのになー」

 リカとチャッキーも表情を暗くする。

「知らない人からはインベスもアーマードライダーも同じに見えちゃうんだろうね」
「どう違うんだって聞かれたらどう答えていいか分かんないし」
「やっぱり今度のイベントを成功させて、少しでも
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