暁 〜小説投稿サイト〜
勇者番長ダイバンチョウ
第11話 強敵襲来!その名はイインチョウ?
[6/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
美智!】
 それは紛れも無く美智だった。どうやら付近で逃げ遅れた人達を助けていたのだ。その美智が、その場で泣き崩れていた女の子を抱き抱えて頭を数回優しく撫でて落ち着かせてくれた。
「もう大丈夫だよ。すぐに安全な場所まで連れて行ってあげるからね」
 そう言って少女を抱き抱えてその場から走り去ろうとする美智、その近くには例の喋る救急車が停車していた。
【美智さん、早く僕に乗ってください! 此処は危険ですよ】
「うん、今行くよ!」
 頷き、救急車へと駆け寄る。だが、その時だった。
【うおぉぉぉぉぉ! 死ねぃ、二人纏めて死ねぇぇぇい!】
 突如として、気絶していたブソウ星人が目を覚まして、身を起こしてきたのだ。更に、腹部が開き、其処から大型ミサイルが発射されたのだ。
 大型ミサイルはそのままイインチョウの背中に直撃し、激しい爆発と振動が伝わってきた。
【ぐはっ!】
【イインチョウ!】
 ミサイルの直撃を受けて、倒れるイインチョウ。それと同時に巨大なビルの重量が一気にダイバンチョウに圧し掛かっていた。
【ぬぐおぉぉぉ! お、重てぇぇ! くそ、こんなの本来なら大した事ねぇってのによぉぉぉ!】
 弱気な事を言いつつも必死にビルを倒さないように支え続けるダイバンチョウ。だが、そのダイバンチョウへもまた大型ミサイルが発射され、ダイバンチョウもまた後方へと跳ね飛ばされてしまった。
【あぁ、美智さん!】
 救急車の目の前で、ビルが重力に従い真下へと落下してくる。まだ、ビルの真下に居た美智達はそれを見上げてしまった。
 猛スピードで落下してくる数十トンもある岩石の塊。とても人間の速さでは逃げられないと悟ったのか、美智はその場にしゃがみこみ少女を強く抱き締めて目を瞑った。
【美智さん! 美智さぁぁぁん!】
 そんな美智と少女に向い喋る救急車が走ってきた。突如、救急車の姿が変わる。が、その途中でビルは地面に激突し、激しい振動が当たりに伝わった。
 その後で聞こえてきたのは、ブソウ星人の笑い声だった。
【ははっ、はははははっ! 馬鹿め、俺達に逆らうからこうなるんだ! 思い知ったか? はははっ!】
 大声で笑い出すブソウ星人。だが、その直後、よろけならもダイバンチョウとイインチョウが身を起こしてきた。両者とも、憤怒の表情を浮かべていた。
【てめぇ、よくも……よくも……】
【貴様……許さん!】
 その怒りは直後、形になった。ダイバンチョウとイインチョウの両者の拳がブソウ星人の胴体を刺し貫いたのだ。本来なら逮捕すべき対象だと言うのに、その命を奪ってしまったイインチョウ。やがて、動かなくなってしまったブソウ星人を前にして、イインチョウは一人項垂れてしまっていた。
【イインチョウ……お前―――】
【私は、宇宙警察失格だ。逮捕すべき犯人をその手に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ