第11話 強敵襲来!その名はイインチョウ?
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このイインチョウはまるで精錬された無駄のない動きをしている。恐らく、番が最も苦手としているスタイルを持っている。
【気は済んだか?】
【冗談じゃねぇ! 天下無敵の喧嘩番長が顔に泥塗られたままで終われるかってんだ!】
最早意地の戦いだった。その後も、ダイバンチョウは何度も何度もイインチョウに勝負を挑んだ。だが、その度に悉く軽くあしらわれてしまった。まるで子供が大人にからかわれているかの様な光景だった。
しかも、相手はダイバンチョウよりも二回り近く小柄なのだ。
【くそっ、こうなったら―――】
起き上がったダイバンチョウは、背中から木刀ブレードを抜き放った。
本来なら素手の奴相手にこれを使うのはやぶさかではないのだが、止むを得ない。
抜き放った木刀ブレードを両手に持ち、そのまま怒涛の勢いで走りイインチョウ目掛けて迫る。
【これでどうだ! 超必殺! 男の修正脳天叩き割りぃぃぃ!】
渾身の必殺技をイインチョウ目掛けて振り下ろした。ダイバンチョウの奥の手でもあり同時に幾多の敵を葬ってきた決め技でもあった。
今度こそ倒した。番はそう確信を持てた。その確信が打ち砕かれるのはそれから間も無くの事だったのだが。
【甘い!】
一言、そう叫んだ直後の事だった。イインチョウは何と、自分目掛けて放たれた木刀を両手で挟み込むようにして押さえ込んでしまったのだ。
俗に言う白刃取りの要領だ。そして、そのまま再度ダイバンチョウを地面へとたたきつけてしまった。
再度振動が辺りに伝わり、ダイバンチョウは大の字に横たわりそのまま動けなくなってしまった。
【ぐっ……うぅ……】
【これで分かっただろう。いい加減大人しくしろ】
木刀ブレードを投げ捨て、イインチョウは倒れたダイバンチョウにそう言い放った。最早、ダイバンチョウには既に立ち上がる気力も抵抗する気力も失せてしまっていた。
それを見て判断したイインチョウはダイバンチョウに近づく。イインチョウの目的はダイバンチョウ、そしてブソウ星人の逮捕だ。こうして両者が動かなくなったのだからこれで安易に逮捕が可能となった。
後はダイバンチョウを拘束し、輸送隊が到着した際に引き渡せば事が済む。
そんな折、番はふと目の前にあるビルを見た。ダイバンチョウが下駄を放ち、そのまま外れて激突したビルだった。そのビルが今にも崩れ落ちそうなまでに傾いている。そして、その真下には小さな少女が泣きじゃくりしていた。
【やばい! あそこに逃げ遅れた子が!】
【何!?】
番が咄嗟に叫ぶ。その声に反応し、振り返る。そのイインチョウもまた、ビルの下で泣きじゃくっている少女を発見する。
このままではあの少女は上から降って来るビルに押し潰されてペシャンコになるのは明白だった。
急ぎ其処へ向おうとしたが、ダイバン
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