第11話 強敵襲来!その名はイインチョウ?
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、きっちりつけて貰うからな!】
腕を鳴らし、やる気満々なダイバンチョウがイインチョウと対峙し、構える。それを確認したイインチョウもまた、臨戦態勢をとった。
最初に口火を切ったのはダイバンチョウだった。相手が銃を持っているので無闇に突っ込めば確実に狙い撃ちされる。となれば最初に相手の出鼻を挫くのが先決だった。
とばかりに、最初にダイバンチョウは右足を大きく振り上げた。その際に履いていた下駄が勢い良くイインチョウ目掛けて飛んでいく。
下駄を飛ばした後、そのまま右足を地面に押し当て、下駄の後ろにピッタリとくっつくようにしてダイバンチョウは距離を詰めた。
一方で、イインチョウは飛んできた下駄に向い光弾を当て、下駄の進路を大きくそらした。
そらされた下駄はイインチョウの右頬付近を掠めて飛んで域、後方のビルに激突しそのまま制止した。その直後には、既にダイバンチョウがイインチョウの目の前にまで迫っていた。
互いの距離は3メートル程度しかない。狙い打つ事はまずできない。
【飛び道具なんざ使いやがって! 男なら素手で喧嘩してみやがれってんだ!】
啖呵を切り、ダイバンチョウがイインチョウの持っていた銃を叩き落とし、そのままイインチョウの両肩を掴んだ。このまま得意の接近戦に持ち込めば殆どダイバンチョウが負ける事はまずない。
そう、今まではそれで通じていた―――
気がつくと、何故かダイバンチョウが地面を背に倒れていた。
反対にイインチョウはこちらを見下ろす形で立っている。
【な、何だ? 何が起こったんだ?】
全く以って理解不能だった。さっきまで自分が組み付いていたのに、まるでコントでも演じてるかの様な錯覚を番は感じていた。
【貴様が素手で戦えと言うからそうして見たぞ。これで満足か?】
目の前ではイインチョウが腕を叩きながら呟いている。心底むかつく言動に番の額には青筋が浮かび上がっていた。
【野郎、調子に乗るんじゃねぇ!】
即座に起き上がり、今度は右拳を放った。まどろっこしい事はなしだ。一発殴って終わらせる。そのつもりで放ったのだ。
すると、イインチョウは身を翻し、ダイバンチョウの右拳を薄皮一枚でかわす。そして、細い腕を絡ませててこの原理でダイバンチョウを円を描くようにして放り投げ、再度地面に叩き付けた。
ズシン! 辺りに振動が響き渡る。激しく地面にうちつけられた際に起こった振動がそれだったのだ。
【ぐぅっ! な、なんて奴だ……俺の攻撃を悉く返してきやがる!】
再度起き上がり、イインチョウを見入る。今までの相手とは桁違いにこいつは強い。そう番は判断出来た。今まででは腕っ節の強い敵はそれなりに居た。だが、此処まで戦いに精通した奴はいなかった。正確に言えば今までの敵は荒削りでごり押しな連中ばかりだったのに対し、
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