暁 〜小説投稿サイト〜
IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第278話】
[6/6]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話

 妹のキラキラとした眼差しに負けたのか――。


「……仕方ないですね。 本音、ちゃんとお礼を言いなさい?」

「わぁー! お姉ちゃん〜、ありがとう〜。 ひーくん〜、今度でーとに付き合ってあげるね〜。 ありがとう〜」


 差し出したケーキを受け取ると、美味しそうに食べ始めるのほほんさん。

 そんな姿にほっこりしつつ、再度紅茶を飲むと楯無さんは――。


「ふふっ、織斑君。 私の指導、受ける気は?」

「いや、だからそれはいいですって。 ……大体、どうして俺やヒルトに指導してくれるんですか?」


 これに関しては単純明快だ。

 俺も一夏も【弱い】……美冬たちは、俺は弱くないとは言うが、俺自身そうは思わない。

 まだ精神的な面でも弱いし、IS操縦に関してもまだまだ未熟な面が見える。

 ……と、楯無さんは率直に言葉を口にした。


「それは簡単。 ……キミが弱いからだよ。 それも、ヒルト君よりも……ね」


 不敵な笑みを浮かべる楯無さん。

 だが……何で俺も弱いと言わなかったのだろうか?

 この間の模擬戦だって、手も足も出なかったのに……。

 そう思っていると、握りこぶしに力を込めた一夏は立ち上がり――。


「俺は……弱いつもりはありません」


 ムッとした表情の一夏は、楯無さんを睨み付ける。

 弱いと面と向かって言われたからだろうか――。


「ううん、残念だけど……キミは弱い。 それも無茶苦茶弱い。 ヒルト君と比べても解るぐらいの差にね。 ……勿論、ヒルト君も技術的に未熟な部分もあるわよ? ――でも、キミはそれに輪をかけるぐらいに弱いの。 だから少しでもマシになるように私が鍛えてあげようというお話」


 こう正面から言われた一夏は、流石に怒りを堪えきれなかったのか――。


「……ッ! じゃあ勝負してやろうじゃねぇか! 男がそこまで言われて、黙ってられねぇッ!! それも、殆ど初対面の先輩に何でそこまで言われなきゃならないんだ!!」


 机を叩き、怒りを隠さない一夏を他所に、のほほんさんはケーキを食べ、布仏先輩は紅茶を一口飲み、楯無さんはニヤリと笑っていた。


「じゃあ行きましょうか。 まずは生身での勝負……からね? ヒルト君、キミも着いてきて」

「……了解です」


 そう短く返事をすると共に、ほぼ同時に俺と楯無さんは立ち上がる。

 ……まあ一夏にはいい薬になるだろう。

 そう思い、俺達三人は生徒会室を後にした――。
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ