第四章 三河最後の戦い
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に、申し訳なさそうな表情になる椿
しかし椿は、真剣な表情で酒井を見直す。
「解ってますよ、俺が行ったって仕方がないって事は………でも旦那達は死ぬつもりなんでしょう?」
「あぁ、恐らくな……」
忠次の表情は険しい、今この中で一番忠勝達を止めたいと思っているのは、忠次自信であろう
「目の前で死のうとしている人がいて、俺はそれを何もせず黙って見てるだけなんて事をしてしまったら……俺は俺を許せない」
血を吐くように紡がれた言葉、そんな椿の姿を浅間は隣でただ見つめていた。
(……椿君)
椿は、母と妹を失った時から誰よりも死を恐れている、恐れているがゆえに椿は死の淵に立っている忠勝達を放っておくことができないのだ。
浅間そしてノリキは、椿の思いが解っているからこそ何も言えなかったのだ。
「解ってる、コレは俺のエゴだけど俺は「行けよ…」……え?」
標示枠の向こうから聞こえる声に、椿は驚く
「行ってこい、椿……けど条件がある」
「……条件?」
酒井はまっすぐ椿の目を見る、その表情はまるで父親のようだど浅間は思った。
「あぁ、必ず帰ってこい……俺から言えるのはそれだけだ」
優しく、だが少し厳しく、忠次の言葉はそんな風に聞こえた。
椿は自然と標示枠に、向かって頭を下げた。
「ありがとう……ございます。」
「あぁ、じゃあな」
そう言って忠次は笑い、通神は切れた。
椿は頭を上げ皆を見る。
「まぁ、つーわけでちょっと逝ってくる。」
『字が違ぇよ!?』
全員のツッコミを聞き、椿は笑った。
「椿、お前大丈夫なのかよ?」
皆を代表してトーリが、椿に問いかける。
椿は笑ったまま答えた。
「お前の告白を聞くまで、死なねぇよ大将」
「そっか………じゃあ逝けよ」
『だから、字が違ぇよ!?』
今度は椿とトーリ以外の皆がツッコミを入れた。
「じゃあな、みんな」
そして椿が歩き出そうとした時、ふと椿は何かに引っ張られる、感覚に足を止めて後ろを見る。
そこには、椿の黒い羽織の裾を握る浅間の姿があった。
「……浅間?」
椿が浅間の名前を呼ぶと、浅間は焦ったように手を離す。
「あっ、ご、ごめんなさい……えっと…その」
浅間は心配そうに、椿の顔を見る。
浅間が心配するのも無理はない、これから椿が向かうのはヘタをすれば死んでしまうような所だ
そのため、頭では解っていても自然と手が出てしまったのだ。
「わ、私、その」
すると椿は自分が着ていた羽織を脱ぎ、浅間の肩に掛けた。
「
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