第一話 【新学期】
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クラスに行くか。
昇降口でスリッパに履き替えながら自分のクラスの教室へのルートを考える。スリッパに履き替え、校舎の三階にある一年B組の教室へ向かって階段を軽い足取りで駆け上がる。にぎやかなB組の教室の前でふっと思う。
「凛の奴、何組だろうな。……まぁ、いいか。同じ学校だしそのうち会えるだろう」
そろそろ、時間もやばいし初日遅刻は流石に悪い印象を与えるから不味い。人はどうしても見た目から入ってしまうから印象が悪いと友達が作れないことになりかねない。良い印象を持ってもらうためにも、早いところ教室に入ろう。
一端、ドアノブに手を掛けて深呼吸する。心を落ち着かせて、教室のドアを開けると――
頭の上に何かが落ちる。それとほぼ同時に教室にいたクラスメイト達が所々で笑い出す。笑い声は様々で、たったこれだけで個性のあるクラスだと思わされる。落ちた瞬間は、何がどうなっているのか分からなかったが周りの反応を見て、なんとなく分かった。
無難にクラスにとけ込もう作戦失敗。(見知らぬバカと黒板消しにより)
頭に乗った黒板消しを取り、周りを見渡す。不幸中の幸い、黒板消しは新調されていたため、チョークの粉が着くことはなかった。しかし、これ以上目立つわけにはいけないので、こんなガキみたいな事する奴は誰だ! 小学校までだぞ! と言うことも出来ず。ただ怒ってないように取り繕い、この犯人が正直に出てくるのを待つことが精一杯だ。案の定、俺の予想は当たった。笑うクラスメイトの間から一人の少女が顔を出す。
「ごめん。普通は引っかからないと思って」
申し訳なさそう謝ってくる。
「いいよ、気付かなかった俺も悪いし」
無論、苛々しているけど。イメージを悪くすることができないから、笑って誤魔化す。
反省しているし、まあ、いいかな。さてと、俺の席は何処かな? あっ、あそこか。
黒板にある掲示してある席順を見て、おおよその位置を確認する。
「ところで君? ここら辺で見ない顔だけど何処から来たの?」
その少女は、どうやら近場の子だったようで、見ない顔の俺が気になるみたいだ。もちろん、良い人面をし意識している俺は、彼女の質問を無視する選択肢はなく、少し適当に答える。
「うん。まぁ、引っ越してきたから」
その黒板消しの犯人の子は、ふ〜ん、と言ってから黙り込む。
「って、ことは周りに知り合いいないんだ」
グサッ。無邪気な一言が胸に刺さる。
この子、結構酷いこと言うな……。雰囲気からして悪気はなさそうだけど。そりゃ、友達なんていなよ。どうせ、一人っきりのボッチだよ!
「あっ、ごめん。私、もしかしたら酷いこと言った?」
表情で察したのか、その子は申し訳なさ
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