3部分:第三章
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そう思うようになってきた。それが間違いだった。
失投だった。山本はそれを待っていたのだ。
「よし!」
振った。打球はそのままライトスタンドへ向かっていく。
「う・・・・・・」
打球を見た西口が苦い顔をする。彼が見たのはホームランだった。
彼は満面の笑みでベースを回る。そしてホームを踏んでベンチに戻るとナインが総出で出迎えた。
「ようやったな!」
佐々木も帽子を取って彼を迎えた。監督までが彼に敬意をあらわしたのだ。
これで山本は復活した。彼は近鉄の一員として見事に復活を遂げたのだ。
「山本さ〜〜〜〜ん!」
球場で練習をしていると子供達の声がする。
「お、オリックスファンの子か」
帽子を見てそう言った。だが彼は帽子で子供を差別したりはしない。
「おう、どないしたんや!?」
彼は子供達の方に歩いていって声をかけた。
「有り難うございます!」
そして急に礼を言われた。
「わし、自分等に何かしたか!?」
礼を言われた彼はキョトンとした。
「僕達、神戸から来たんです」
子供達はそんな彼に言った。
「神戸からか、そうやったんか」
この時神戸はようやく震災から立ち直ったばかりであった。当時の政府のあまりに無能な対策の為不必要に遅れてしまったのだ。
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