第百五十二話 近江平定その六
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「全くな、しかしとにかくじゃ」
「この者達をな」
「うむ、倒そう」
早速だ、こう言ってだった。
彼等はその者達を倒していく、それを進めていくと。
やがてこの謎の者達も全て倒した、宇佐山城は救いしかもだった。
それに加えてだ、勝った彼等のところに報が来た。それは小谷の方からだった。
長政がだ、信長に笑顔で言って来た。
「無事にです、小谷の方でもです」
「勝ったか」
「はい、あの者達がやってくれました」
こう信長に言うのだ。
「見事」
「そうか、では近江はじゃな」
「これで収まりました」
今丁度宇佐山での戦が終わったところだ、信長は城に入りそこで長政の言葉を受けているのだ。
「それでは次は」
「さて、次じゃ」
その次の話もする信長だった。
「次はどうするかじゃ」
「それが問題ですか」
「摂津か越前か」
信長は考える顔で言う。
「どちらを先に収めるかじゃ」
「それでしたら」
ここで言ったのは平手だった、彼が言うのだった。
「越前かと」
「そして加賀か」
「はい、そこです」
そこで戦うべきだというのだ。
「そこに向かうべきです」
「それは何故じゃ」
「はい、摂津は今は勘十郎様達がおられ」
そしてだというのだ。
「徳川殿に鬼若殿もおられますが」
「しかし越前はじゃな」
「兵も少なく」
それにだった。
「前波殿が」
「討たれたらしいな、一向宗に」
「はい」
その報も入って来ているのだ。
「朝倉家の方々も」
「抑えられなかったか」
「既に越前のかなりの部分が一向宗の手に落ちています」
「そうじゃな、だからか」
「若し越前を失えば」
どうなるかというと。
「そこからこの近江に入られて」
「都じゃな」
「はい、都に攻められます」
そうなるというのだ。
「さすれば摂津を攻めるどころではありません」
「摂津を先に潰すというやり方もあるが」
信長は平手にあえてこう返した、これはわかっていて返したものだ。
「それはどうじゃ」
「本願寺の石山御坊をですか」
「一気に攻めてな」
「それは出来ませぬ」
平手はあえて冷静に信長の今の言葉に返した。
「それは殿もご承知かと」
「ううむ、そう来たか」
「はい、石山御坊は実質城です」
まさにそれだ、平手もこのことはよく知っている。彼は戦のことは不得手だがこうしたことも頭の中に入れているのだ。
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