第五十四話 コンビニの前その十一
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「私達はこれで帰りますけれど」
「また今度」
「ではな」
「それにしても博士って」
ここでだ、愛実は博士が手に持っている日本酒の瓶を見た。柿ピーや乾物の袋よりもそれを見て言うのだった。
「お酒も飲まれるんですね」
「うむ、そうじゃ」
「よく甘いものを口にされてますけれど」
「実は酒もいけるのじゃ」
「どっちもなんですね」
「どちらかというと甘いものが好きじゃがな」
酒もいけるというのだ。
「こっちも好きじゃ」
「そうなんですね」
「うむ、ただ日本酒は甘いものとは合わぬ」
茉莉也はまた特別だ、日本酒は米から作り糖分は多いが甘いものとは全く合わない。だから酒好きは辛いもの、塩や醤油の味が強いものが好きなのだ。
「じゃから甘いものを食べる時はな」
「お酒はですね」
「飲まれないんですね」
「そうしておる、ワインじゃと洋菓子も食べるとはな」
この組み合わせはあるというのだ。
「ケーキやチョコレートでもな」
「ああ、それはあるんですか」
「洋菓子とワインは」
「うむ、日本酒よりワインの方をよく飲むな」
組み合わせとしてはというのだ。
「わしはな」
「そうなんですか、博士はワインですか」
「そちらなんですね」
「ブランデーも好きじゃ」
「あっ、ブランデーも」
「そのお酒も」
「量は多いが飲まない日も多い」
酒についてはそうだというのだ、博士は三時になるとよくお菓子を食べているが酒は飲まない日も多いというのだ。
「そして酒も工夫しておってな」
「工夫!?」
「工夫っていいますと」
「霊酒にすることも多い」
普通の酒を、というのだ。
「不老長寿の薬を入れたりしてのう」
「長生きの為にですか」
「そうされてるんですか」
「実験じゃ」
それで飲んでいるというのだ、普通の酒をそうして。
「仙術や魔術のな」
「それで霊酒をですか」
「飲まれてるんですか」
「何かそれって結構危なくないですか?」
「ご自身での実験とか」
「いや、妖怪達から貰った確かな霊薬ばかりじゃ」
使う薬はというのだ。
「間違っても水銀等を使うことはない」
「水銀って昔は仙術にも使ってたんですよね」
聖花は水銀と聞いてこの話をした。
「丹薬に入れて」
「その通りじゃ」
博士も聖花にその通りだと答える。
「昔はのう」
「それって物凄く危ないわよ」
愛実は水銀を飲んでいたと聞いてだ、顔を顰めさせてこう言った。博士は二人が話している間にカウンターに向かい勘定に入っている。
「水銀なんか飲んでたの」
「昔の仙術はね」
「お薬だって思われてたのね」
「そうなの、それで飲んでいたけれど」
「死んだ人多かったでしょ」
かなり率直にだ、愛実はこう言った。
「昔は」
「そう
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