第五十四話 コンビニの前その十
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「そもそも二人共この学園の泉が何処か見付けたいだけじゃな」
「はい、どういったものか」
「見たいだけでして」
興味はあるのだ、好奇心は。
しかしだ、それ以外はというと。
「妖怪さんも幽霊さんも悪い人達じゃないですし」
「そう考えますと」
「そうじゃな、封印せずともよいな」
「悪い人達が来るのなら別ですけれど」
「そんな人達が出入りしてきたら」
封印しなければならない、しかし八条学園は学園内に張られた結界のせいで悪しき心を持っている妖怪や幽霊は入ることが出来ないのだ。
それならだ、泉を封印してもだというのだ。
「かえって皆に迷惑がかかりますし」
「それじゃあ」
「うむ、では封印せんのじゃな」
「そうなります?」
「メリットもないですし」
妖怪や幽霊達、二人にとっては最早友達と言っていい彼等にだ。博士は二人と応えながらそのうえでお店の店員さんに話した。話はすぐだった。
博士はカウンターの前からだ、二人に告げた。
「話は済んだぞ」
「それじゃあですね」
「今から」
「うむ、泉を探せるぞ」
そう話がついたというのだ。
「ここの泉の候補地は関係者以外立ち入り禁止と書いてある扉じゃ」
「お店の中に入る、ですね」
「そこですね」
「そうじゃ」
まさにそこだというのだ。
「そこに今から行くとよい」
「わかりました、じゃあ行って来ます」
「今から」
「泉でなくとも落ち込まぬことじゃ」
博士はそうなった場合のことも二人に話す。
「次があるし絶対にあるものじゃかなら」
「はい、それはもうわかってます」
「次に行く場所も決めてますし」
百鬼夜行だ、もうわかっている二人だった。
そしてだった、二人で。
コンビニのトイレのすぐ傍の関係者以外立ち入り禁止の扉を開けた、そして中に入ると。
簡素な机と椅子が二つずつあり書類やファイルが机の上や引き出しにある、ペンや消しゴムも見える。事務室であることは明らかだ。
その事務室を見てだった、愛実は聖花に言った。
「じゃあね」
「うん、次ね」
聖花はその愛実に答えた。
「百鬼夜行ね」
「妖怪さん達のパレード行こうね」
「そうしようね」
こう話してそしてだった、二人は。
博士のところに戻った、そのうえで二人で博士にこう言った。
「ここでもなかったです」
「また次の場所に行きます」
「うむ、わかった」
博士も不たちの言葉を聞いて頷く、それで終わりだった。
そのうえでだ、こう二人に言った。
「それではこれからどうするのじゃ?」
「今日は微妙な時間ですから」
「帰って寝ようと思ってます」
「そのつもりです」
「今日はそうしようかって」
「そうか、飲まんのか」
見れば博士は既にその手に色々持っている。
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