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八条学園怪異譚
第五十四話 コンビニの前その七
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「じゃあ今からね」
「コンビニね」
「そこに行こうね」
「そこが泉ならいいけれど」
 聖花はここで微妙な顔になって愛実に返した。
「まあ次があるから」
「泉ねえ、何かね」
「中々見つからないわね」
「見つかりそうでね」
 これが、というのだ。
「中々見つからないわね」
「探すものって見つからないっていうけれど」
「それで興味がなくなったら出て来るとかね」
「そういうのあるわよね」
「そうよね」
 愛実も聖花のその言葉に頷いて応える。
「微妙にね」
「不思議な話だけれど」
「世の中ってそんなものかしら」
「そうかも知れないわね、けれどね」
「泉はね」
「絶対に見つけないとね」
 このこと、二人が高校に入ってから二人で長い時間をかけて探しているものはというのだ。
「ここまできたらね」
「あと少しだしね」
「あと少しで諦めたら」
 ここでこう言う愛実だった。
「よくないからね」
「やるからには最後までよね」
「うん、いつもそう思うし」
「そこも愛実ちゃんらしいわね」
「そう?」
「一度はじめたら最後までしないと気が済まないっていうところがね」
 そうしたとこともまた愛実らしいというのだ、聖花は愛実のその顔を見ながら微笑んで話す。
「愛実ちゃんらしいわ」
「そう?むしろ聖花ちゃんの方がそうだと思うけれど」
「私がなの」
「一度はじめたら最後までしようっていう性格はね」
 愛実は愛実でこう言う。
「そう思うけれど」
「そうかしら」
「私はそう思うわ」
 愛実もまた微笑んで聖花に話す。
「聖花ちゃんの方がね」
「結構最後までしない方だと思うけれど」
「いや、そうしたところ見たことないから」
 愛実の知る限り、というのだ。
「いつも最後の最後までするじゃない」
「だといいけれどね」
「私が見る限りそうだから」
 再びこう聖花に言う。
「しっかりしてるわ」
「何か結局二人共そうなのかしら」
「一度はじめたら最後までする性格ね」
「ええ、そうなるかしら」
 二人はお互いに話すことになった、そしてだった。
 そうした話をしながらコンビニその泉かも知れない場所に向かう、夜の学園の中はもう二人には見慣れた世界だった。
 その中暗がりの中に校舎や木々が並ぶ中を進んでだ、二人はそのコンビニの前に来た。するとそこは。
 コンビニは一見普通の夜のコンビニだった、ただ学園の中にあるだけの。
 しかしよく見るとだ、その周り端々に。
「いるわね、皆」
「そうね」
 二人共だ、そのことに気付いて言うのだった。
「妖怪さん達がね」
「見え隠れしてるわ」
「よく見ないと気付かないけれど」
「皆いるわね」
「あっ、来たね」
「こんばんは」
 妖怪達もここでコンビニの周
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