TURN126 グスタフラインその十一
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「そして再びドクツの為に働くべきなのだ」
「そうよ、ドクツはレーティアが立ち直らせて導いたのよ」
だからこそだというのだ。
「それならね」
「そうだな、だがこれからのドクツはな」
レーティアは失敗に学ぶ、バルバロッサでの失敗とそこからの崩壊のことを忘れたことは一時もなかった。
それでだ、今はこう言うのだった。
「信じれる者達に任せることは任せたい」
「ええ、任せてね」
「我等は総統の手足です」
「何なりと仰って下さい」
グレシアに続いてマンシュタイン、ロンメルの二人の元帥も名乗りを挙げてきた。
「総統には全ドクツ国民がいます」
「総統だけではありませんよ」
「そうだな、私は全てを抱え込み過ぎていた」
これまでのドクツはレーティアが抱えている赤子と言っていいものだった、だから抱えているレーティアが倒れた時に崩壊下のだ。
しかしこれからのドクツはどうあるべきか、レーティアはそのことがもうわかっていたのだ。
「だからこれからはだ」
「私達で出来ることはするからね」
「本当に何でも申し上げて下さい」
「及ばずながらも」
トリエステとベートーベンも名乗りを挙げてきた。
「ですからこれからは」
「我等もこれまで以上に」
「やれやれ、これは手強いですね」
「全くだな」
ネルソンとモンゴメリーは団結するドクツの面々を見て苦笑いで述べた。
「戦後のドクツも手強そうですね」
「欧州の盟主の座に座られかねないな」
「エイリスもうかうかしていられません」
「我々も気を引き締めないとな」
「この戦争の後は我々はもう武力に訴えることはしない」
レーティアはこうも言った、つまり世界征服という野望も既に捨てているというのだ。
「世界を手に入れてもドクツには負担が大きい、それに世界は一つの鍋にあるのではなく一つの皿で別々にあるべきだ」
「つまりシチューよりサラダであるべきだな」
「そうだ」
ドイツ、自身の祖国にそうだと答えた。
「ドクツはドクツ、他国は他国だ」
「それがこれからの世界か」
「欧州は欧州で一つの経済圏になるべきだが」
このことは太平洋と同じだというのだ。
「しかしそれは一つの国だけで成り立っているものではない」
「俺達全員でか」
「そうだ、ドクツもオフランスもありだ」
レーティアはフランスにも答えた。
「エイリスもイタリンもだ」
「そうだよな、幸か不幸か植民地もなくなったからな」
フランスはこのことについても言及した。
「だったらな」
「うむ、欧州は欧州で一つの経済圏でやっていこう」
「各国が合わさってな」
「そうあるべきだ」
レーティアが見出した新たな秩序はこれだった、ドクツが世界を統一し彼女が全てを治めるのではなくどの国も共存していくことだった
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