TURN126 グスタフラインその十
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「本当に何時でもね」
「そして彼等を使い」
「敵を」
「捕虜は必要ないよ」
一切、というのだ。
「敵は殺すだけでいいよ」
「コアはそうした発想はありませんので」
「何しろ犯罪者ですので」
「そうだね。ならいいよ」
ヒムラーも安心した、その話を聞いて。
「存分に暴れてもらってね」
「ドクツの世界征服ですね」
「それを成し遂げましょう」
「さて、まずはアルプスだね」
最初はここでの防衛戦だった。
「彼等が来たらね」
「盛大に迎えましょう」
「是非共」
裏の側近達も自信満々であった、負けるとは露程に思っていない。
「数は彼等の方が上ですが」
「そして艦艇の質も」
「それはもう問題にならないね」
ヒムラーはまさに余裕綽綽といったものだった。
「まあ数とそれを支える国力は向こうが圧倒的だけれどね」
「それでもですね」
「どれだけの数が来ても」
「このアルプス要塞は」
「全く、ですね」
「そう、難攻不落だよ」
それこそマジノ線なぞ比較にならない位だというのだ、だからこそどれだけの数と質で来ても問題ないというのだ。
それでだ、ヒムラーはまた言った。
「それじゃあね」
「反撃の用意もしておいて」
「待ち受けましょう」
「そういうことでね、さて」
ここでヒムラーは話を変えた、今度の話題はというと。
「お昼だしね」
「今日は何を召し上がられますか?」
「お昼は」
「ワインは欠かせないよ」
ヒムラーがまず話に出すのはこれだった。
「それとパスタかな」
「前総統もお好きでしたね」
「あれですね」
「実は俺も菜食は嫌いじゃないんだよ」
意外とだ、ヒムラーにもそうしたところがあるのだ。それで今もパスタを食べるというのだ。
「後はパンと」
「ポテトサラダですね」
「そしてメインディッシュも」
「そうするよ、いつも通り楽しませてもらおうかな」
何処かホストめいた仕草で言うのだった、ヒムラーは今も余裕に満ちていた。
そのヒムラーが待つアルプス要塞攻略という大仕事を前にしている枢軸軍だが彼等も緊張の中にあった、だが。
レーティアはその彼等にこう演説するのだった。
「案ずるな、諸君」
「総統がいれば、じゃな」
防衛艦隊司令官を務めている山本が応える、彼は今も現役としているのだ。
「あの要塞もじゃな」
「そうだ、一兵も失うことなくだ」
こう言うレーティアだった、自信に満ちた口調で。
「あの要塞を攻略しベルリンまで迎える」
「それは心強い言葉じゃのう」
「私が言うべきかどうか迷ったが」
だがそれでもだというのだ。
「やはり私が出るべきであり、だ」
「そしてじゃな」
「ドクツに戻るべきなのだ」
そうすべきというのだ、レーティアは。
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