TURN126 グスタフラインその七
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「このままだとね」
「損害が増えるだけだね」
「しかも後方からの補給が滞っているわ」
それを担当するイタリン軍はまだ混乱状態にある、それでだった。
ドイツ妹も決断を下した、自身の相棒にそれを述べた。
「まだアルプスもあるから」
「そこまでだね」
「ええ、予定とは違うけれど」
グスタフラインを使って枢軸軍に消耗を強いるつもりだったのだ、だがそれはそのグスタフラインを迂回され直接戦闘となってしまい思ったよりダメージを与えられなかった。それは不本意だったのしてもというのだ。
「ここはね」
「撤退だね」
「ええ、そうしましょう」
こう言ったのである。
「今はね」
「わかったよ、それじゃあね」
「ああ、全軍な」
「イタリン軍のことだけれど」
「ちょっと伝えるか」
二人は彼等のことも忘れていなかった、それでだった。
撤退を決定し早速その中に入るうえでこう彼等に問うた。
「私達は今からアルプスに撤退するけれど」
「あんた達はどうするんだい?」
こう彼等に問うたのである。
「一緒に来るのなら総統にお話するわ」
「まだ一緒に戦うかい」
「いや、その申し出は有り難いけれどね」
「あたし達はもう決めてるからね」
二人の問いにイタリア妹とロマーノ妹が答える。四人でモニター越しに話す。
「枢軸軍に降伏するよ」
「そうさせてもらうね」
「そう、わかったわ」
「それじゃあね」
ドイツ妹とプロイセン妹も二人の言葉に応えた、そしてこう言うのだった。
「これで暫くお別れね」
「また会おうな」
「ああ、それでその時はね」
「一緒に飲もうね」
イタリア妹とロマーノ妹は二人に笑って返した、四人の仲は素直にいいのだ。
それで笑顔で言葉を交えさせて今は別れた、そうして。
ドクツ軍はローマから撤退し後にはイタリン軍だけが残った、イタリア妹は早速枢軸軍二通信を入れた。
モニターに自分の兄を認めてだ、イタリア妹はまずは彼に明るく言った。
「兄貴元気そうだね」
「うん、そっちもね」
イタリアも妹に笑顔で返す。
「元気そうで何よりだよ」
「こっちは何もなかったよ」
平和だったというのだ。
「無事にね」
「そう、それはよかったよ」
「ただ、どうやらね」
「どうやら?」
「今の統領さんの姿が見えないんだよ」
そうなったというのだ。
「今さっき惑星ローマの方から連絡があったけれどね」
「亡命したのかな、スイスにでも」
「そうみたいだね、まあそれはいいとしてね」
ぴえとろのことはこれで終わった、スイスの予想通りだった。
「統領さんも帰って来たね」
「うん、一緒だよ」
「じゃあ丁度いいよ、あたし達降伏するから」
実にあっさりとした降伏の言葉だった。
「手続き宜しくね」
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